世間様には4枚ドア(=セダン)という名前のクルマがあります。
その名もマセラティ・クワトロポルテ。
セダンというと、いかにも凡庸なオヤジグルマをイメージします
けれど、実際はゴージャスなホテルのスイートルームかと思うよ
うなインテリアと暴力的な加速のミスマッチを特徴とする、およ
そ凡庸な連想や、やる気のない名称を完全に裏切ったところにあ
る存在感がウリ。
それは、まるで昼間仕事で乗るクルマではなく、日が落ちてから
社交のために乗るクルマだと言わんばかりの妖しさで、英国の非
日常的なスパイが凡庸な名前を名乗ることによって、そのギャッ
プがたまらないなんていう人間の非合理性に訴えているかのよう
です。歴代のクワトロポルテもそういうクルマでした。
そのなかでも不思議なのは、先代にあたるクワトロポルテ4です。
いくら妖しい夜のクルマとはいえ、その存在は社会のなかで許され
ているのですから、会計原則上は新車から6年が経過すると残存価
値は0になります。
要するに6年落ちのクワトロポルテはタダという話です。いや他の
クルマも同じです。念のため。
もちろん、クルマに乗るには車検やら税金やら保険やらの費用が前
払いで必要になりますので、その費用が有効なうちに譲渡しようと
思えば、先払いの投資的支出は使えますので、売買に伴って代金に
含まれることになりますから、実際にはゼロにはなりません。
が、しかし、生産終了から12年も経って減価償却2回分になろう
という現在でも、中古車の流通価格は100万円を下りません。
これが不思議。
イタリアの自動車というのは、見た目派手でカッコよく、美しい女
性を口説いて助手席に乗せて走るには最高ですが、遠出した先で故
障が発生するリスクを管理する能力がある者にだけドライヴが許さ
れるようなロデオドライヴな乗り物です。
同じクワトロポルテでも、今日のテーマである4というモデルは既
に型落ちモデルであり、幸か不幸か生産途中に会社が買収されたこ
とから日本のディーラも途中で変更になっていて、現在のディーラ
は自社で売った顧客ではないオーナーのために部品をストックしな
くてはならない複雑な大人の事情を抱え、これまた世間様の期待に
立派に応えてくれるほど平和に維持するのが大変なクルマで有名で
す。
繰り返しますが、それが100万円ですよ(笑)。
このクルマの価値がどこにあるのかという話ですが、私などはマル
チェロ・ガンディーニがデザインしたリアのホイルアーチをタイト
スカートの縁のように撫でることにあるのではないかと思うのです
が、世間様はどうなのでしょう?
やはり、マセラティといえば、クワトロポルテといえば、ちょっと
悪くてカッコが大切なモテオヤジのバブリーなイメージだからこそ、
そのイメージに100万円の価値があるのだろうか、と思ってしま
います。
それとも、もしかすると、次の港署の覆面パトカーがマセラティだ
ろうから、それを期待する御仁たちの間で人気があるのでしょうか。
ちょっと実際のところはどうなのか?とても興味深いものがありま
す。
(実際に飼うには、部品取り用に1台あった方がいいらしいですよ)
感謝!
その名もマセラティ・クワトロポルテ。
セダンというと、いかにも凡庸なオヤジグルマをイメージします
けれど、実際はゴージャスなホテルのスイートルームかと思うよ
うなインテリアと暴力的な加速のミスマッチを特徴とする、およ
そ凡庸な連想や、やる気のない名称を完全に裏切ったところにあ
る存在感がウリ。
それは、まるで昼間仕事で乗るクルマではなく、日が落ちてから
社交のために乗るクルマだと言わんばかりの妖しさで、英国の非
日常的なスパイが凡庸な名前を名乗ることによって、そのギャッ
プがたまらないなんていう人間の非合理性に訴えているかのよう
です。歴代のクワトロポルテもそういうクルマでした。
そのなかでも不思議なのは、先代にあたるクワトロポルテ4です。
いくら妖しい夜のクルマとはいえ、その存在は社会のなかで許され
ているのですから、会計原則上は新車から6年が経過すると残存価
値は0になります。
要するに6年落ちのクワトロポルテはタダという話です。いや他の
クルマも同じです。念のため。
もちろん、クルマに乗るには車検やら税金やら保険やらの費用が前
払いで必要になりますので、その費用が有効なうちに譲渡しようと
思えば、先払いの投資的支出は使えますので、売買に伴って代金に
含まれることになりますから、実際にはゼロにはなりません。
が、しかし、生産終了から12年も経って減価償却2回分になろう
という現在でも、中古車の流通価格は100万円を下りません。
これが不思議。
イタリアの自動車というのは、見た目派手でカッコよく、美しい女
性を口説いて助手席に乗せて走るには最高ですが、遠出した先で故
障が発生するリスクを管理する能力がある者にだけドライヴが許さ
れるようなロデオドライヴな乗り物です。
同じクワトロポルテでも、今日のテーマである4というモデルは既
に型落ちモデルであり、幸か不幸か生産途中に会社が買収されたこ
とから日本のディーラも途中で変更になっていて、現在のディーラ
は自社で売った顧客ではないオーナーのために部品をストックしな
くてはならない複雑な大人の事情を抱え、これまた世間様の期待に
立派に応えてくれるほど平和に維持するのが大変なクルマで有名で
す。
繰り返しますが、それが100万円ですよ(笑)。
このクルマの価値がどこにあるのかという話ですが、私などはマル
チェロ・ガンディーニがデザインしたリアのホイルアーチをタイト
スカートの縁のように撫でることにあるのではないかと思うのです
が、世間様はどうなのでしょう?
やはり、マセラティといえば、クワトロポルテといえば、ちょっと
悪くてカッコが大切なモテオヤジのバブリーなイメージだからこそ、
そのイメージに100万円の価値があるのだろうか、と思ってしま
います。
それとも、もしかすると、次の港署の覆面パトカーがマセラティだ
ろうから、それを期待する御仁たちの間で人気があるのでしょうか。
ちょっと実際のところはどうなのか?とても興味深いものがありま
す。
(実際に飼うには、部品取り用に1台あった方がいいらしいですよ)
感謝!