私がモルト・ウィスキーに足を突っ込んだのは大学生の頃のこと
です。
従来からの間接税減税に折からの円高が加わって、銀座のクラブ
では数万円するボトルが、酒販量販店の倉庫型店舗に行くとゼロ
ひとつ少なくなる魔法のような現実に、狂喜乱舞して手持ちの現
金を握り締めて毎週通ってました。パチ屋さんじゃないのに(笑)。
ゼロひとつ少なくなって喜んだのは、ヘネシーやらマーテルやら
のブランデー。XOなんて知らずに、店頭に並ぶVSOPが数千
円なら完全に勘違いして自分が偉いか金持ちにでもなった気分。
いま思うと恥ずかしくて穴があったら入りたいくらいですが、次
から次へと試して悦に入っておりました。
しばらくして、お隣にあるウィスキー・コーナーへ目をやると、
これまた銀座か小説の小道具として有名なシーバス・リーガルな
るウィスキーが2980円で売られています。瓶口に玉がついて
いるかどうかで数百円違いましたが、こちらはロクに稼ぎもしな
いくせに円高バブルで踊り狂ったアホ学生ですから、中身が同じ
でも玉付きを必ず買ってました。馬鹿ですね。
うやうやしく封を切って一口含むと、これがあの見知らぬ世界で
大人の男と女を酔わせるお酒なのかという芳醇な香りに包まれ、
それまで知っていた親父が水割りで飲むというウィスキーのイメー
ジを覆されたものです。
さて、今回のストラスアイラ・オフィシャル12年は、そのシー
バス・リーガルのキーモルトで、一口含むと見事にシーバス・リー
ガルがリバイバルして現れました。そういう意味では「シーバス・
リーガル原酒」と言ったほうがいいでしょう。そのまま同じ形の
ボトルにラベリングして出荷したほうが販売価格を上げられるの
ではないかというくらいです。
シェリー風味強く、スペイサイド特有の乾いた麦の香りに、蒸溜
所固有のヘザーが追いかけてくる感じ。ポイントはシェリーのバ
ランスで、明確に姿を表すものの、ボディ全体を主張するもので
はなく、あくまで麦をドレスするだけ。スペイサイド最古の蒸溜
所としてのプライドを掛けてブレンドしているような味わいです。
全体的な味の構成としては私の好みではないのが残念なのですが、
シーバス・リーガルやベルのようなブレンデッド・ウィスキーを
お飲みの方で、シングルモルトを試してみようかとご興味を持た
れた方に最適な一本。
シングルモルトの芳醇さを味わいたいという意味では、グレンフィ
ディックやマッカランと同等の親しみやすさをぜひ感じてほしい
「正しいエントリーモデル」だと思います。
ストラスアイラ
感謝!
です。
従来からの間接税減税に折からの円高が加わって、銀座のクラブ
では数万円するボトルが、酒販量販店の倉庫型店舗に行くとゼロ
ひとつ少なくなる魔法のような現実に、狂喜乱舞して手持ちの現
金を握り締めて毎週通ってました。パチ屋さんじゃないのに(笑)。
ゼロひとつ少なくなって喜んだのは、ヘネシーやらマーテルやら
のブランデー。XOなんて知らずに、店頭に並ぶVSOPが数千
円なら完全に勘違いして自分が偉いか金持ちにでもなった気分。
いま思うと恥ずかしくて穴があったら入りたいくらいですが、次
から次へと試して悦に入っておりました。
しばらくして、お隣にあるウィスキー・コーナーへ目をやると、
これまた銀座か小説の小道具として有名なシーバス・リーガルな
るウィスキーが2980円で売られています。瓶口に玉がついて
いるかどうかで数百円違いましたが、こちらはロクに稼ぎもしな
いくせに円高バブルで踊り狂ったアホ学生ですから、中身が同じ
でも玉付きを必ず買ってました。馬鹿ですね。
うやうやしく封を切って一口含むと、これがあの見知らぬ世界で
大人の男と女を酔わせるお酒なのかという芳醇な香りに包まれ、
それまで知っていた親父が水割りで飲むというウィスキーのイメー
ジを覆されたものです。
さて、今回のストラスアイラ・オフィシャル12年は、そのシー
バス・リーガルのキーモルトで、一口含むと見事にシーバス・リー
ガルがリバイバルして現れました。そういう意味では「シーバス・
リーガル原酒」と言ったほうがいいでしょう。そのまま同じ形の
ボトルにラベリングして出荷したほうが販売価格を上げられるの
ではないかというくらいです。
シェリー風味強く、スペイサイド特有の乾いた麦の香りに、蒸溜
所固有のヘザーが追いかけてくる感じ。ポイントはシェリーのバ
ランスで、明確に姿を表すものの、ボディ全体を主張するもので
はなく、あくまで麦をドレスするだけ。スペイサイド最古の蒸溜
所としてのプライドを掛けてブレンドしているような味わいです。
全体的な味の構成としては私の好みではないのが残念なのですが、
シーバス・リーガルやベルのようなブレンデッド・ウィスキーを
お飲みの方で、シングルモルトを試してみようかとご興味を持た
れた方に最適な一本。
シングルモルトの芳醇さを味わいたいという意味では、グレンフィ
ディックやマッカランと同等の親しみやすさをぜひ感じてほしい
「正しいエントリーモデル」だと思います。

ストラスアイラ
感謝!