カンビアーノで発見しました。

512BBの木型

512の5は5リットル、12は12気筒、BBはベルリネッタ・
ボクサーの意であることは有名ですね。

以前、どこかの雑誌でスカリエッティ工場の傍らに放置されてい
るという写真を見た記憶がありますが、現在はマラネッロではな
く、カンビアーノにあります。

がしかし、512BBはiも含めて1936台も生産されたので、
一つの木型で最後まで賄うことが出来たのかどうか、いささか疑
問に思うところも残りますから、例えば最初のものがこちらで、
スカリエッティのものは最終生産時のもの、なんて可能性もある
かもしれません。

シャシーやエンジンには生産番号がつきますが、木型にはそれら
しきものはありませんでした(笑)。

この木型を観察して感じることは、型の上に金属板を当て板金で
ボディパネルを作るなら、フェンダーフレアの角はどうしても丸
くなるだろうということ。

と、加えてこういう細かい部位は何度も叩くことになるはずだか
ら木型のうちでも傷みやすい部位に当たるということから、一つ
の木型で2000台近くも賄えたのかという冒頭の素朴な疑問に
回帰します。

512BBの木型

木型とスカリエッティといえば、木型を治具にボディを生産した
のはBBや328が最後で、古い良きクルマ生産の最後の遺産で
す。

その生産工場の当主だったセルジオ・スカリエッティ氏は、先月
91才の天寿を全うされました。これも2011年の記憶になり
ます。

感謝!