2000年の傑作「マレーナ」のロケーションはシチリア島にある
カステルクトという架空の町ですが、このカステルクトの”街”を
作りあげているのが、前回書いたシラクーザのドゥオモ広場とシラ
クーザから小一時間ほど離れた、このノートの町です。

ノート

ノートは中世のゴシック建築で有名ですが、街の中心部はいわゆる
「ゴシックだらけ」の様子で、晴れ上がった地中海の蒼い空ととも
に、まるで地上の楽園のようです。

アジアの雑多な街並みに慣れた目線で「綺麗だな」などとぼんやり
歩いていると、映画に出てくるワン・シーンが目前に現れて驚きま
ました。

ノート

ここは映画の冒頭でまったく同じカットが使われています。

また映画のなかでは、鉄道の駅のシーンも登場しますけれど、カス
テルクトの駅として登場していたのがノートの駅で、DVDをみる
と普段使われている駅舎部分にセットを建築して撮影したようで、
それ以外はまったく映画のなかと同じなので、この映画のファンに
は垂涎の場所でしょう。

ノート

ノート

実際に訪れてみると人っ子一人いない寂れた無人駅で、平日の昼間
だというのに何もしていないと思われる大の大人がフラフラしてい
るので少し恐い思いをしましたが、話し掛けてみたら「アフリカか
ら出稼ぎに来ていて、これからシラクーザに行くんだ」と話してく
れました。

こんな小さな勇気も旅を豊かにしてくれます。


マレーナ

感謝!