先だての革靴丸洗いの際に、一緒にオロ・ビアンコのバッグを洗い
ました。これも世界見聞から帰って来たらカビが生えてしまってい
たものです。
90年代にプラーダのナイロンバッグが一世を風靡してからという
もの、総革のバッグは20世紀のものとなり、昨今のバッグはもっ
ぱらナイロン×革だったりするので、メンテナンスに困りますね。
こういうバッグも革靴を洗うように明らめてしまえば、要領は同じ
というもので、革靴と同時に洗っていました。

洗ったはいいが困ったのは革で、この手の手合いは何しろイタリア
の手仕事溢れるマニュファクチュアを売りにしているような製品を
風合いと歴史かあるかのようなバッジで強気のプライスで輸出して
いるものですから、洗って一皮向いたら染料が滲み出して地図が出
来てしまうほど。
最初はなかから汚れが出てきたのかと思って、二度洗いしてしまい
ました。
染料が滲み出てしまった革は、いかにも草臥れた売れないロッカー
の革ジャンのようになってしまって、これではイタリアもブランド
も使うに耐えないし観るに忍びないので、革のリペアに取り掛かる
ことになる、そういうわけです。
今回導入した新型機器は「染めQ」なる染料スプレー。

とても革や布を染める染料の世界とは程遠いような名称で、店頭で
見つけたときは本当に買って大丈夫か?と思いましたよ。
ちなみにモノに色をつけるとき、素材の上に色(の混ざった樹脂)を
載せるのは塗料。素材のなかに色を入れるのが染料ですから、ナノ
テクを使った21世紀の最新鋭染料が染めQという訳です。しかし
なぜ「Q」なの?(笑)
ここで問題が一つあります。染めQがナノテクを使った21世紀の
最新鋭染料なのは有難いのですが、今回の被染物はナイロン×革の
バッグ。やおらスプレーでパー吹きしたら、それこそバッグが台無
しです。こういうときマニアの皆さまは養生に命を懸けて1週間と
いう風になさるのだろうと思いますが、残念ながら、こちらはそれ
だけの時間が掛けられません。
そこでやってきたのが、旧世紀のブラシです。分かりやすく言うと
ハケですね。
塗料瓶にスプレーして染料を引き出し、それをハケでこちょこちょ
と塗る。要するにやっているのはイタリアの皮革工房の染料職人と
同じじゃないかこれ。
あちこち当って色が剥げてしまったコバや、春夏秋冬の大活躍で少
し草臥れた感の出てしまっている持ち手。これらを大胆かつ繊細に
二度三度とハケで塗ります。
完全に乾いたら、こんどはバッグに「アンコ」を噛ませて内側やら
マチやらをさらに繊細に。インナーの止め具になっている、革の断
面などをみると、なめしたときに革を染めた形跡はなし。これだか
らイタ物はまったく、という感じです(笑)。
そうして剥げた革を染め直したら、革のところだけですが、ちょっ
とした新品の風情が返ってきました。

最後にクリームを塗って仕上げ、仔細をみると染料の濃淡が独特の
味をつくっていて、子どもの時分によく見て憧れた革の味わいが生
まれました♪
皆さまも、よく乾いた秋の日には革物のリペアなどをされてみては
いかがでしょうか。
感謝!
ました。これも世界見聞から帰って来たらカビが生えてしまってい
たものです。
90年代にプラーダのナイロンバッグが一世を風靡してからという
もの、総革のバッグは20世紀のものとなり、昨今のバッグはもっ
ぱらナイロン×革だったりするので、メンテナンスに困りますね。
こういうバッグも革靴を洗うように明らめてしまえば、要領は同じ
というもので、革靴と同時に洗っていました。

洗ったはいいが困ったのは革で、この手の手合いは何しろイタリア
の手仕事溢れるマニュファクチュアを売りにしているような製品を
風合いと歴史かあるかのようなバッジで強気のプライスで輸出して
いるものですから、洗って一皮向いたら染料が滲み出して地図が出
来てしまうほど。
最初はなかから汚れが出てきたのかと思って、二度洗いしてしまい
ました。
染料が滲み出てしまった革は、いかにも草臥れた売れないロッカー
の革ジャンのようになってしまって、これではイタリアもブランド
も使うに耐えないし観るに忍びないので、革のリペアに取り掛かる
ことになる、そういうわけです。
今回導入した新型機器は「染めQ」なる染料スプレー。

とても革や布を染める染料の世界とは程遠いような名称で、店頭で
見つけたときは本当に買って大丈夫か?と思いましたよ。
ちなみにモノに色をつけるとき、素材の上に色(の混ざった樹脂)を
載せるのは塗料。素材のなかに色を入れるのが染料ですから、ナノ
テクを使った21世紀の最新鋭染料が染めQという訳です。しかし
なぜ「Q」なの?(笑)
ここで問題が一つあります。染めQがナノテクを使った21世紀の
最新鋭染料なのは有難いのですが、今回の被染物はナイロン×革の
バッグ。やおらスプレーでパー吹きしたら、それこそバッグが台無
しです。こういうときマニアの皆さまは養生に命を懸けて1週間と
いう風になさるのだろうと思いますが、残念ながら、こちらはそれ
だけの時間が掛けられません。
そこでやってきたのが、旧世紀のブラシです。分かりやすく言うと
ハケですね。
塗料瓶にスプレーして染料を引き出し、それをハケでこちょこちょ
と塗る。要するにやっているのはイタリアの皮革工房の染料職人と
同じじゃないかこれ。
あちこち当って色が剥げてしまったコバや、春夏秋冬の大活躍で少
し草臥れた感の出てしまっている持ち手。これらを大胆かつ繊細に
二度三度とハケで塗ります。
完全に乾いたら、こんどはバッグに「アンコ」を噛ませて内側やら
マチやらをさらに繊細に。インナーの止め具になっている、革の断
面などをみると、なめしたときに革を染めた形跡はなし。これだか
らイタ物はまったく、という感じです(笑)。
そうして剥げた革を染め直したら、革のところだけですが、ちょっ
とした新品の風情が返ってきました。

最後にクリームを塗って仕上げ、仔細をみると染料の濃淡が独特の
味をつくっていて、子どもの時分によく見て憧れた革の味わいが生
まれました♪
皆さまも、よく乾いた秋の日には革物のリペアなどをされてみては
いかがでしょうか。
感謝!