世界一周の番外編その3です。

アメリカ・シアトルにある、ボーイング社の航空機工場見学に、珍
しくもバス・ツアーで参加しました。

ボーイング社工場

ボーイング社の工場は、シアトルからフリー・ウェイで40~60
分ほどの郊外にあって公開されており、誰でも工場見学が可能です。

工場のエントランスは、フリー・ウェイから少し外れた分かりにく
いところにあって、バス・ツアーは正解です。

シアトルのガイドブックのようなものをみると、必ずといっていい
ほど、このボーイング社工場見学が載っていて「その巨大なスケー
ルに驚く」と書かれていますが、現地を訪れるとあまりの広さのた
めスケール感覚を失う、といった方が正しいのではないかと感じま
した。なぜって、エントランスと組立工場の間に滑走路がある(!)
のですから(笑)。

ボーイング社工場

チケットを購入してオリエンテーションのビデオを観ると、すぐに
工場見学のバスに乗り込みます。バスは、滑走路を横切るように周
回道路のような道に乗って工場へ進みます。

皆さまご想像のとおり、私は工場見学が大好きなので(笑)、あちこ
ちカメラを持って歩きたかったのですけれども、最新鋭の787を
組み立てているからか、軍用機の製造も行っているからか、完全に
持ち物は持ち込み禁止だったので、この点は少し残念ですが仕方な
いですね。

さて、その組立工場のなかでは、B747やB777に加え、最新
鋭の787の組立て作業が行われていました。

感銘を受けたのは、機種ごとに製造方法を最適化していることで、
特に777の製造工場は、製造行程ごとに機体が移動し流れ作業が
出来る工場でした(詳細はここでは秘密。ぜひ見に行って下さい♪)。

全世界注目の的である787は、機体が組み立てられているすぐ脇
で、100人以上のエンジニアがPCと格闘しており、最新鋭機の
製造現場を見れたのはとても収穫がありました。

先の「巨大さ」に関しては、早口のガイドさんの解説を頓珍漢が頭
で一所懸命聞き取ると「組立工場の床面積は、LAにあるディズニー
ランドがすっぽり入ってお釣りがくるくらい。工場の正面シャッター
(完成した航空機が出てくるところね)は、アメフトのグラウンド並
みの大きさで、工場の大きさもシャッターの大きさもどちらもギネ
ス・ブックに載る世界一」だそうです。

そんなスケール感にあんぐりして工場見学を終えて来ると、見学者
とステークホルダー向け(?)の博物館に帰ってきます。

博物館の中は、さながらボーイング博覧会の様相で、過去の機体か
ら最新鋭機までの遷り変わりや、マテリアルを見せたりシミュレー
ター(有料)を体験させたりと盛り沢山。ここを観ると2時間後には
お腹いっぱいで、見事に皆ボーイング・ファンになるように出来て
います(笑)

ボーイング社工場

私のようなものの関心は、もっぱら最新鋭の787に関するもので、
ドライカーボンで出来たボディシェルが展示されていたのには、え
らく感激して、みごとにボーイング・ファンになっておりました(笑)

ボーイング社工場

ボーイング社工場

ちなみに、ボディシェルはモノコック構造ですから、外板部分まで
ドライカーボン。肉厚約10mmは隣に展示されていた727のジュ
ラルミンとほぼ同様ですから、設計思想が近いことを窺わせます。

一方で、ジュラルミン時代のボディシェルは、あちこちリベットに
よる剛結ですけれども、ボディシェル本体と補強リブとをよく観察
したら接着剤で固定されていました(F40と同じね)。

ボーイング社工場

そんなことに感心しながら、もう一度表に出ると、滑走路脇の駐機
場(?)には、完成した787の機体が勢ぞろい。当然1号機はボー
イング社のものですが、名誉ある2号機は我らがANAが発注した
もの。もうすでにANAカラーを纏ってゴーサインを待っています。

ボーイング社工場

滑走路と工場との間には、全世界の協力工場から提供される完成部
品を運ぶためにわざわざ作られたという、747-400の最終機
ドリーム・リフターも駐機していました。

私は航空機のことはあまりよく分かりませんが、お好きな方はぜひ
一度いらっしゃるとよいと思います。

感謝!