芸術は、万人に対してその門戸が、
開かれているわけではないのです。
いつのことだったかは覚えていませんが、
過去の記事にそう書いたことは記憶しています。
誤解しないでいただきたいのですが、
芸術を理解できるから優れているとか、
理解できないから劣っているとか、
そんなことを言っているわけではありません。
これは、単なる個人差であって、
人間の本質に関わる問題ではないのです。
ロイターによると、このほどオランダで、
携帯電話のメッセージを対象にした文学賞として、
『金の親指賞』が創設されたのだそうです。
携帯電話で送受信される電子メールは、
非常に簡易で、きわめて手軽に扱えるので、
いまやコミュニケーションの手段のうちで、
最も一般的であるといっても過言ではないでしょう。
しかも、それは単なる手段にとどまらず、
電話では本当のことを話しにくいという躊躇、
手紙では伝えられない臨場感や即時性など、
コミュニケーションの障壁を克服してくれます。
電子メールには、もちろん弊害もあります。
手軽さゆえに、つい衝動的になることです。
また、臨場感や即時性を備えていながら、
それを介するのが文字のみであることです。
つまり、電子メールの送信者と受信者の間には、
常に物理的かつ心理的ギャップがあるわけです。
携帯電話の電子メールのやりとりには、
人間の喜怒哀楽が渦巻いています。
それは、想像を絶するほど激しいことでしょう。
どんな小説にもまして情熱的かもしれません。
しかしながら、それを芸術とは呼ばないのです。
by スグル