『具合が悪くなったら医者に診てもらえばいい…』
一般的に当たり前のことのように思われがちですが、
認知症や統合失調症を患っておられる方に関しては
非常に困難な状況に直面することがあります。
ご本人に病識がなく、ケアマネージャーさんやご家族
が受信を勧めても拒否されるケースや、
逆にご本人が受診したくても、キーパーソンのご家族が
精神疾患を抱えていて拒否されたりと様々…。
正直なところ、
教科書やマニュアルは殆ど役に立ちません。
十人十色なら対応も十人十色です。
ご家族をはじめ、ケアマネージャー、介護士、
看護師、包括支援センターの方々が経験を活かし、
やっと医療に繋がるのです。
そのバトンを受け取り、
我々も最善の努力を尽くしますが、
それでも困難なケースはあります。
まさにチームの総力戦。
医療に繋がり、症状が落ち着いたからといって
終わりではありません。
その後の患者さまの生活、
介護、看護、医療、デイサービス、ケアマネージャー等々、
包括的に支援していかなくてはなりません。
今後、ますます高齢者が増加します。
『介護なんてまだまだ先の話だ』
⇒あなたにとってはまだ先のことかも。
でも、あなた家族の中で近いうちに介護が
必要になる方がいるかも…。
『自分がボケたら施設に入るから大丈夫』
⇒あなたが施設に入所しなければならなくなる頃には
他の方も大勢、入所が必要になっているかも…。
その時は順番待ちかも…順番を待っている間は?
どこにも入所できなかったら在宅しかありません。
その時に独居の方とご家族が同居されている方とでは
介護力が大きく異なってきます。
関心を持つ、持たないは個人の自由ですが、
現場で働いている者としては
できるだけ情報は持っておいた方が
良いと思わざるを得ません。
超高齢社会の日本…。
甘くないです…。
【精神科・高齢者心療内科・精神科】