自分という望まれない子供を産んだ母親を憎む子供が、母親にたいしてもっとも嫌だと思うことは、母親が、父親も含めて男性から愛されない女性であるということである。
よい子が産める女性は、男性から愛される。
そもそも、女性自身の性質がいいから、よい子供を産むことができるわけで、よくない子供が産まれるということは、その女性自身の性質が、よくないんであると言っても過言ではない。
であって、母親が男性から愛されない人であるということが、もっとも辛いんである。
男性から愛されない女性が、どうやって生きていくのか。
そんなことを常に目の当たりにして子供は生きていかなくてはいけない。
都合よく利用されたり、暴力を受けたり、男に媚びたり、そんな風にして生きている母親を、そばで見ているのがもっとも子供は辛い。
そして、そんな母親を自分も好きになれない。自分も面倒をみたくない。
こういった子供の本質的な苦しみは、このことであるということをふまえていかなくてはいけない。
男性から愛される母親を持った子供は、大変に幸せである。
その母親が産んだ子供だというだけで、子供も無条件に愛されるんである。
そして、さらによくある話は、こういった男性から愛されるよい子を産める女性が、男性から愛されないよくない子を産んでしまう女性を背負って生きているということである。
それは、たとえば姉妹であったり、おばであったり。
そういった場合、本当はよい子を産める女性であるけれど、産まれてきた子供がよくない性質であったりする。
この場合、よい子を産める女性が、よくない性質の子供を育てていくということは、かなりの困難をともなうんである。