タイムスリップされた方かな? ってくらいのおひげが特徴的な教授。初めて見かけたときから「ひょ〜〜! めっちゃ教授だ」って勝手に目をつけていた。
学部だけの歓迎会ではその教授のテーブルに座ったけど、教授らしく何言ってんのかよくわからん人だった。
とりあえず出会うたびに挨拶だけはした。ある頃から教授もにこやかに挨拶してくださるようになって、時にはハイタッチもするようになった。
ちょっとじじまごっぽいというかあまり教授に対する態度ではなかった。3年になるまで教授の講義は一切なかったのも要因かな。初めて受けた講義は……やっぱりあんまりよくわからなかったけれど。まぁ真面目に受けた。だって明らかに教授は私を認識しているし雑談もするし。そういう相手の講義って……さぼれぬ。
まぁ、1番じゃなかったけど10位以内にはいたね(勝手な妄想)。
講義の後は教授のお部屋にお邪魔することも増えた。アナログな教授のかわりに……学生の出欠登録してた(内緒)。
3年の終わり。教授は退官された。
退官日。
私と友人にお声がけくださって、一緒に王将に行った。「王将でいいんですか?」と確認したら、「学生とこういうところに昔はよく行ったんだ。今の学生はなかなか誘いにくいんだ」と。
あとから私がお連れした王将は餃子の王将で、教授が行きたかったのは大阪王将だったことが判明したけど。
長年「住まわれた」研究室は凄まじい量の紙たちで、それらの片付けをお手伝いしたし、雑談は相変わらずよくわからなかったけれど。彼は夏目漱石研究一筋で、会話の8割くらいはいつのまにか漱石ルートになってしまう。
私、僧籍は持ってるけど漱石はさっぱり詳しくない。「名前はまだない」くらいまでしか読んでない。教授にしてみれば詳しい話ができる学生が身近にいてほしかっただろうなと、それだけは申し訳なかったけれど。
漱石に関わる事象を目にすると、教授のおひげとお声が脳内によぎる。
お元気だといいな。
ちなみに……結構関係深そうでしょ? もちろん、個人的に親しくさせていただいたとは思っているけれど。
私、教授とは学科違うんよ……。