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Keiのブログ

某大学4年の日本人学生、2012.8~2013.6まで、ノルウェーに留学していました。いろいろつらつら書くことで、いい記録になればという完全な自己満ブログですが、どうぞご覧ください
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試験のあと


チャイムが鳴った。




終わりの終了とともに、皆のシャーペンまたはえんぴつを机に置く音が一斉に響く。


僕はため息をつく。今まで肺の中にあった重たい空気が一気に放出される。


ずっと答案用紙と問題用紙にかじりついていたせいか、目がぼやけている。


周りの受験生たちがそわそわし始める。背伸びをする生徒、知り合いと目配せをする生徒、顔が真っ青になっている生徒。


「以上で、今日の試験は終了しました。お疲れ様でした。」


係員の声によって、第一日目のセンター試験は終わった。


「ちょー難しかったんだけど!」「やばい」「思ったより簡単だった」「ねみー」etc etc etc…


廊下に受験生たちがなだれ込む。玄関まで続く廊下は、今日の受験についての感想その他もろもろで溢れている。そしてその声は廊下の端から端まで木霊する。試験を受けていたときよりも、受験生はエネルギーに溢れているように見える。というか、これが本来の彼らの姿なのだ。机にかじりついている姿も悪くはないが、読書、部活、とにかく自分の本当に好きなものをしているときの姿が彼らの純粋な、本来の姿なのだ。




僕は一番最後に席を立つ。答案用紙を提出してから、なんだか意識がフワフワしていた。


一日目のセンター試験の科目は文系科目ばかりだった。得意だと思っていた英語が5時間目。そうだ、僕は失敗した。集中力が持たなかった。リスニング問題がスピーカーから流れだした瞬間、それは催眠術となり僕を昏睡させたのである。


ただ、落ち込んだ気持ちは全くなかった。とにかく疲れたのだ。今日が自分のこれからの一生を決める日になると思うと、昨夜はうまく眠れなかったし、今日は肩に力が入りっぱなしだった。


友達の武士には、自分を待たずに先に帰ってくれとメールをした。今は誰かと一緒に帰れる元気がない。僕はもともと一人が好きだし、一人でいると余計なエネルギーは使わずに済む。武士は適当に誰か友達を見つけて帰るだろう。


試験のあった建物の入り口には、まだ人が溢れていた。友達同士で今日の試験の出来を話し合ったり、明日の2日目の試験(理系科目だ)について話し合ったり、中には進学塾の先生たちがわざわざ出迎えていて、激励の言葉や慰めの言葉を送っていたりする。


僕はそんな人たちを横目に見ながらバス停に向かう。




いまいち、まだ自分が何をしているのかよくわからない。これから、自分がどんなものになりたいかもよくわからない。とりあえずセンターを受けている。ばかみたいに睡眠時間を削り、ばかみたいに学校や図書館に通いつめ勉強してきたけれど、それは周りがそうしているからだ。文系科目はまだ得意なほうだったから、そこそこやっていたけれど、理系科目はてんで駄目だった。数学は嫌いじゃないが、解答があっていたことがない。問題を解く過程はかなり楽しいのに、どうしてだろうといつも思っていた。




これを僕は「数学への片思い」と呼ぶことにした。



好きなんだけれど、向いてない。


どれだけ諦めるなと先生に言われ、自分でも努力してみたが、得手不得手は人間だれにでもあるものだ。ずっと悔しさをばねに勉強し続けていたが、ある日悟る日がきた。


僕の数学への取り組みは一方通行だ、ということ。


だから捨てた。もっと早く捨てればよかったと思った。その分、自分の好きな教科を極められたかもしれなかったのに。

そうだ、もっとみんな、好きなことを追及すればいいのにと思う。


高校生だし、そろそろ自分がどんな人間なのかはだいたい粗方わかっている年頃だ。


オールマイティでいければいいが、所詮人間だ。完璧じゃない。


完璧じゃなくても、自分の好きなものだったら頑張れる。なぜなら、「好きなもの」を自分で決めた時点で、個人の責任が発生するし、何より失敗しても自分がそれを諦められないからだ。

こんなことを、帰りのバスに乗ってからずっと考えていた。





僕は今日、面接を受けた。某大手メーカー企業の会社だ。


今考えれば、あのセンター試験の日は遠い過去のように感じる。あのときの失敗はそんなに大きなものじゃないことが今ならわかる。



大学に進学してから、いろんな人に会った。浪人生なんてごまんといるし、留年の友だちも多い。高校のときは、あんなに学校そのものだけが全てと思われていた世界が一気に広がった気がする。年齢においてもそうだ。自分と同級生が同い年とは限らない。


人との出会いと、今までしたことのなかった経験を楽しんだ学生生活だったと思う。


これから僕は社会に出る。



面接の結果は、よくわからない。待つしかない。


皆同じような格好のスーツを着て、不自然な笑顔で頷きながら会社の人たちの話を聞く。その姿は滑稽かもしれないが、それが僕の出ていく社会の登竜門ならばしょうがない。やるしかない。



受験生のときも思った。やれることをやるしかない。センター試験よ爆発しろ、と念じてもそれはあり得ないのだから。


あとがき


私はずっと、日本のセンター試験の制度、それに振り回される教育現場、そして就活のあり方にずっと違和感を感じてきた。どうしても、不気味と思わずにはいられないのだ。よく分からない。自分のただの嫌悪感だけを書いたようにも思う(笑)


でも、それが現実だということも理解してきている。人生はタフだ。自分もタフにならなければならない。