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昨日、某小学校で救急講話の講師として参加させて頂きました。
講話が終わり、帰ろうとしたとき一人の受講者に声をかけられた。

「昨年、救急でお世話になったものです。ずっとお礼が言いたくて・・・。」

30代後半の女性だった。

(・・・?どんな救急だったっけかな・・・?)
「えっと・・・。」
「くも膜下出血で搬送されたんです。」
「・・・旦那さんですか?」
「いえ、私です。」

正直、何千、何万と出ている救急出動ですべての救急を覚えているわけではない。だが、この救急だけははっきり覚えている。若年女性のくも膜下出血はさほど多くないし、その後の予後が気になっていたからだ。

「あぁ!!!某保育園の!!」
「そうです。あの時、ずっと連れ添い優しく対応して頂いた救命士の方ですよね?」

某市の救急隊員としてお礼を言われたことはあるが、自分の顔をしっかり覚えて頂き、直々にお礼を言われたのは初めてだった。しかも重症の患者で意識が朦朧としている中で・・・。

「あの時、仕事中の出来事だったので家族もおらず不安だらけの中で、ずっと連れ添って頂きとても心強かったです。」

救急活動をする上で、傷病者や家族に対しての対応は一番大事にして活動にあたっている。だが、最近自分の活動に不安を抱え、悩んでいた中での出来事だった為、自分の活動が間違ってなかったと再確認でき胸が熱くなった。

「その後、お身体はどうですか?」
「おかげさまで後遺症もなく、平穏な毎日を送れています!本当にありがとうございました。」

私たち救急隊員にとっては何千、何万の救急出動の中での「たった一件」の出来事だが、傷病者にとっては一生の中で命を左右する「たった一件」の出来事であると実感できる救急であった。

この出来事を忘れることなく、今後の救急活動でも一件一件を大切にしていきたい。