デザイン性、ディテール、細かな細工、ブランドイメージ&ヒストリー。
そして“素材感”。
ここは金属というマテリアルの素材感を十二分に理解し、その新たな可能性を惹き出してくれるブランドだと思います。
SERGE THORAVAL / セルジュ トラヴァル 005
ブロンズ(銅)で製作された セルジュ・トラヴァル のリングです。
1962年 パリに生まれたデザイナー=セルジュ・トラヴァルは1990年、独学でジュエリー製作を始め、「ティエリー・ミュグレー」や「アニエス・ベー」、「パコラバンヌ」等、多くのブランドでコレクションジュエリーを担当。その後、1992年に独立し自身のブランドを設立。
彼の作品は主にモード系のセレクトショップ等で扱われ、日本ではH.P.FRANCEが取扱を始め人気ブランドに。
1999年 不慮の事故により彼は他界してしまいましたが、現在もパートナーであった ジュヌヴィエーヴ・シュヴィヨーにより彼の意思はしっかりと受け継がれている。
http://www.hpfrance.com/serge_catalog/profile.html ←ここのBRAND STORYは必見です。
実際に作品をじっくり見ると分かるのですが、文字の1つ1つが打刻されています。
一枚の銅版をリング状にし溶接。(ロウ付けでなく溶接という雰囲気です。)
そこに打刻を繰り返しメッセージを打つという昔ながらの製作方法が心に響きます。
セルジュ・トラヴァルのジュエリーはこのリングのようにメッセージを打ちつけた作品が多いのですが、このメッセージが言葉の壁を越え心に響くのは、こんな昔ながらのアナログ的な制作方法をとっている為だと思います。
そしてこの紛れもないハンドメイドで製作された作品は年と共に様々な表情を魅せてくれます。
指にあたる部分は次第に黒化。
ゴールドの鍍金を施した部分は銅が剥き出しに。
リングの内側には擦れたような金属の面。
これは言い方を変えれば劣化なのですが、とても贅沢な劣化です。
本当にたまりません。
このブランドもフィリップ・クランジと同様に「メタル」という言葉の響きがピッタリときます。
金属の価格的な価値よりも、その素材感を認めジュエリーとして活用している姿勢が素晴らしすぎます。
ブロンズは金色でありながら、ゴールドよりも体に馴染みやすいという事を教えてもらいました。
所謂アメリカを発祥とした銀モノという装飾品とは全く接点の無いヨーロッパジュエリーのセルジュ・トラヴァルですが、僕はこのような作品を合わせて着用するのが好きです。
Gaborをはじめとするゴシック系ブランドの重さを程よく中和してくれるような・・
そこにアンティーク感や、知的さをプラスしてくれるような・・
ジャンルなんて物を無視し、いろんなアイテムを使いながら,、自分の好むテイストに座標軸を調節していくような、そんなアクセサリー/ジュエリーの楽しみ方が好きです。
しかしこれらが上手く交わる事が出来るのは、デザインや方向性、場所は違えど 物造りに対する一切の妥協無き姿勢と、自分の感性を忠実に貫いて行くという貴い気持ちがあるからなんだと思います。
逆に言えば・・
同じゴシック系、デザインが類似、製作場所が近かろうとも、そのような物が備わって無ければ全く合わないってことです。
最後になぜか毒を吐いて終わります。
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