琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~
  第14話「大みそかの夜」









豫津

新年の挨拶にしては

仰々しいぞ


蘇兄への感謝の礼です


何があった


昨夜 共に年を越した父から

すべて聞きました

距離があったとはいえ

父の苦悩を

理解できずにいた私は

孝行者とは言えません


腹を割って話せたのなら

喜ばしい


言氏一族を

救っていただいた恩は

決して忘れません


大げさだぞ

最近 情勢の

移り変わりが激しい

これ以上の騒ぎを

望まぬだけだ


どうであれ私は

蘇兄の情義を感じました

実を言うと

父は自分の行動を

悔いていませんが

蘇兄に感謝しています

矛盾に聞こえますが

蘇兄ならば

お分かりですよね


分かるとも

人の心は複雑だ

簡単に

白黒つけられるものではない


いずれにせよ

平穏でいられるのは

蘇兄のおかげです

助けていただいた理由は

聞きません


お前は本当に聡明だな


政局は見通せず

我らの命運も予測できません

信じられるのは

心だけです


見事な心意気だ

一献 捧げたい


病では?

酒ではなく

茶で乾杯しましょう




By 梅長蘇、言豫津