松本清張って言えば推理小説で有名ですよね。
私も松本清張の小説、大好きです。



松本清張の作品って一見、推理小説という体裁でありながら、本質的には当時の社会の様相を記録しているように思えるんですよね。


一般の推理小説には、ありえないほどの心理描写を書き込んでいて今読むと、その時代の感じかたなどが垣間見れるんですが、それがものすごく新鮮に感じるんですよね。


推理小説=娯楽小説と思われるがちですが、松本清張の作品においては娯楽小説というよりは、世相や人間心理の紐をとくような限りなく文学作品に近いように感じます。


京極夏彦の中尊寺シリーズも戦後の昭和20年代を舞台に描いていますが、読んでいるとどこか現代を感じるんですよね。
でも松本清張の初期作品は、混じりっけなしの昭和20年代を感じさせてくれます。