LAW&ORDER 第35話 天使の制裁…神の軍隊殺人教唆事件
[あらすじ]
画廊オーナーのオードリーが、石打ちの刑のような手口で殺害される。
彼女の画廊ではあるイスラム教徒の画家の個展を開催予定だったが、殺害当日、彼は画廊から全作品を引き上げていた。
彼の「ファーティマの聖戦」といった作品が一部のイスラム教徒の怒りを買い、個展を中止するよう画家は脅迫を受けていたのだ。
脅迫者と思われる男に事情聴取に行った帰り、刑事たちにFBI捜査官が接触してくるのだった。
LAW&ORDERの今まで見たエピソードの中で個人的に一番理解し難い内容だったと思います。
親殺しの少年。
その少年を聖人と崇めるキリスト教原理主義者を裁く。
検察側であるマイクの最終弁論
ヘンズリー牧師は無防備な子供から自由な意思を奪い、暴力を信仰させた。
愛の代わりに復讐への渇望を植えつけ、子供らしい心を煽り立て戦士であれ、と説いた。
自分は何もせず、傷つき戸惑う若者に軍を導く幻想を刷り込み、丸投げした。
その気にさせて幼い助手とともに送り出した。
怒りで高揚した3人は愛する牧師の期待に応えようとした。
だが彼は、結果は予測不能だったという。
理性ある人間であれば他の結果は予測できない。
善良な牧師は修正第一条の陰に隠れた宗教の自由だ。
問題は「神」ではない。
未熟な子供を操った大人たちだ。
そうした力の乱用だ。
もっともな見解だと思う。
(この弁論を聞いた時、ワタシはマイク側の勝ちだと思いました)
ヘンズリー牧師が逮捕されるシーンにおいては「This means war!」とキャンプの子供たちが全員が連呼して叫んでいる。
ジェイソンの裁判で「神の預言者!」と少女が突然叫んだり、判事の退出命令には「地獄に堕ちるわ」と言い放つ。
どのシーンも異様な光景だった。[毒されている][洗脳されている]と誰が見ても感じるだろう。
なのに…
判決は無罪。
(ワタシ、聞き間違ったのかと思って10秒戻しをして、もう一度聞き直した…)
判決後
「証拠を欠いた」というコニーに対して
「陪審員はヘンズリーに共感した」と応えるマイク
「ヘンズリーがジェイソンの服役で痛手を受けるのが救いだ」というマイクに対して
「気休めでしかない。戦争を無くすことだ」とジャックは言う。
アメリカ社会、そしてアメリカにおける「宗教」に対する概念や知識についてほとんど知らないワタシには理解し難い内容でした。
「宗教」に対する概念が違うんだろうな~と、そんな風に思うしかありませんでした。
①弁護側は修正第一条や脳科学と対峙する最終弁論。
②刑事編では少年の奇妙な精神性を示唆した撮影。
③マッコイからカッターに引き継がれる法の精神を比喩したラスト。
①の対決は熱かったですね~。
この①~③は印象的でした。