今では帰る事のない、あたしの故郷。



子供として生きていた場所。



親戚のおじさんが農家だった。



広大な面積の畑の中に一本



さくらんぼのなる木があった。



よいしょ、よいしょと登り



丈夫な枝になんとか体を落ち着かせて



そこから見る風景が大好きだった。



ビニールハウス
赤い屋根
通ってる小学校に
公園

いろんな色の花に
手ぬぐいを首に巻き、笑顔で麦茶を飲んでるおじさん達。

空は水色で
絵筆で流した様な雲が広がっている。



『過去に戻りたい』なんて思わないけど



あのさくらんぼの木には再会したいな。



今、何がみえるかな。
子供の頃、祖父母と同居していた。



両親は共働きだったから



お夕飯はほぼ、祖母…おばあちゃんが作ってくれた。



そんなある日、



おばあちゃんが右手を骨折した。



包丁が握れなくなった。



おばあちゃんの隣にひっついて



小麦粉をはたいたり、すり鉢で胡麻をすっていたあたしは



『立候補』した。



その日から、あたしの横におばあちゃん。



ぎこちない、あたしの包丁の使い方に



『にゃんこの手にして野菜をつかむの』



おばあちゃんが言った。



あれから15年以上経つけど



今でも『にゃんこの手』は健在で



まな板に失礼のない様に、包丁を握る事ができている。
ミルクティーが持つ


あの『ふんわり』とした感じが似合う


そんな女性に憧れる。


あたしはいつになっても


ブラックコーヒーが似合ってる。


実際は


濃くいれたコーヒーに


くるっと一周、クリームをいれたコーヒーが好き。


そして


コーヒーよりも


『珈琲』がすき。




好き、よりも


『すき』が好き。