ひとりで車を運転中。
何気ない風景に触発されて
自分でも忘れていたような
突然、フラッシュバックしてきた。
瞬間、叫んだ。涙が溢れ出した。
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すっかり忘れていたんだけど、
わたしは、病院から葬儀屋さんの車で
父の遺体と一緒に実家に戻ってきたんだ。
遺体には1人しか付き添えなくて。
妊婦の妹に変わり、
私が1人で付き添ったんだった。
数日前まで元気に生きていた父が
私の隣の、棺のなかで静かに眠っていた。
生前からそうだったように、
私は少しの緊張感を持って、父の側にいたんだ。
亡くなった現実感もないまま、
ただただ、静かに父の側にいた。
なぜか忘れていたこの風景が、
突然目の前に広がった。
瞬間、叫んだ。
そして涙がとめどもなく溢れ出した。
あの時だって、泣き叫びたかったんだ。
よく分からないのと
それでも受け入れなくちゃと必死で
静かに付き添っていたけど。
泣き叫びたかったんだ。
そうだよな。
この私がそんなに聞き分けよく
受け入れられる訳がないじゃん。
もっと、もがこう。
まだまだ、泣き叫ぼう。
この感情が、自分の血肉になるまで
味わい尽くそう。
自分のそんな逞しさも、
ちゃんと知っているんだ。
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