昨夜のNHKニュースでがん患者の妊娠出産について取り上げていました。これから妊娠出産をひかえている年代の女性達ががんに罹患し、抗がん剤や放射線療法を受けてがんは克服しても、その副作用によって生殖機能を失ってしまうことがある。男性のばあいも同じ。こういった問題に取り組むためにがん専門医と生殖医療の専門医が連携をして、将来子供を望むがん患者が様々な選択肢を考えた上でがんの治療に望めるようなガイドラインをつくっていく、というような内容でした。
ニュース中で紹介されていた女性は結婚前に乳がんになり、治療を受けることになったけれど、やはり治療の影響で月経が止まってしまうことを懸念し、卵子の冷凍保存をしたいと医師に相談しました。しかし、この抗がん剤では早期閉経にはならないから、と言われ、そのまま治療をうけました。病気を克服し、ずっと支えてくれていた今のご主人と結婚しましたが、数ヶ月後に閉経してしまったそうです。今は不妊治療を受けながら子供を授かることを願っているとのことでした。
この女性は治療前に卵子の冷凍保存などの知識ももっていて、医師にも相談したにもかかわらず、それがかなわなかった訳ですから、そんな彼女の気持ちを思うと、言葉がありませんでした。
このようなことが無いように、がん治療専門医だけでなく、産婦人科医や専門の看護師なども含めて患者さんをチームでサポートすることが大事だと思います。
きっと患者さんは外来では主治医(がん専門医)との関わりがメインとなりますが、将来の妊娠出産に関する相談はやはり生殖医療の専門医にするべきだけれど、どこでどのように情報を得たらいいのか、始めは誰に相談したらいいのか分からない、ということがあると思うんです。そういった時に、相談窓口とかパンフレットとかで適切な情報提供ができることはとても大事だと思いました。
私はがんの専門病院に勤務をしていますが、私の病棟ではあまり20代40代の患者さんがいないので、こういった問題について考える機会がいままであまりありませんでした。病気そのものを治すことだけではなく、家族、仕事、社会生活なども含めて患者さんに向き合ってゆくことががん医療にたずさわる上で大切だと改めて思ったのでした。