店内POPの「新しい税制」を、瞬間的に学ばせて下さったおふたり(2017年 48歳)

かれこれ30年ほど前から、重度な花粉症患者である。
日々の対策はもっぱら目薬。
飲み薬はここぞという時以外、服用しない。

と言うことで、この年も、目薬を初購入するため家を出た。

普段、殆ど薬品類を買うことは無いのだが、買うとしたら、3件ある大型ドラッグストアのどれかでサクッと済ませる。
ただ、この日は何となくの気分で、「昔ながらの街の薬局」へ向かったのだった。

久々の店内。
街の薬局とは言え、地元ではちょっとしたチェーン店なので、処方箋の受付や化粧品カウンターもあり、広さは中規模程度。品揃えもなかなかである。

早速、目薬コーナーをざっと眺める。
……とそこで、陳列棚のプライスカードに添えられた、「セルフメディケーション税制対象」という見慣れぬアナウンスに気がついた。

「はて、何だろ?」
瞬間的に知的好奇心が高まった私は、店員さんを求めキョロキョロした。
しかし、付近には見当たらなかったため、「まあいいか……」とひとまず目薬選びに専念した。

すると間もなくして、隣の棚(湿布コーナー)に、ご年配のご婦人がお二方やって来られた。
お一方はお客さんで、湿布選びをかなり迷われているご様子。
その傍らで、大ベテランと思しき白衣姿の店員さんが、商品説明をされ始めたのだった。

で、そのやりとりがこちらまではっきり聞こえてくるのだが、さすが昔ながらの街薬局のベテラン店員さん。知識も深く、相手に寄り添うようなご説明が非常に素晴らしい!
……と言うか、そもそも会話自体がとても親切丁寧なのである。

『弱っている時に、なんて安心感のあるアドバイス……』
私は、その老成円熟したご対応に、秘かに感服しまくった。
……そしたらなんと、店員さんは先の「セルフメディケーション税制対象」についてもご説明され始めたのである!

『おお!なんてグッドタイミング!』
嬉々として、そのおこぼれに与る。
……ふむふむ、なるほど。どうやら出来たてほやほやの制度、と……。
目薬棚を凝視しながら、内心こくこく頷きまくる。
いや~それにしても、やはりご説明がお上手で分かりやすい!
疑問を抱いた直後に、こんなにも丁寧なご説明を受けることが出来たなんて、なんとありがたいことよ!

私は大満足で情報を聞き終えた。
そして、まだ湿布の件でやりとりをされているお二人へ感謝の念を送りながら、目薬を手にレジへと向かったのだった。

やはり、昔ながらの街薬局はいいものだ。
知識と経験が豊かな「大ベテランの店員さん」が、元気にご活躍出来ていることは宝である。
そのような環境を、この競争が激しい街で残して下さっているなんて、こちらの薬局は本当に素晴らしい!

……いや、だからこそ残っているのかもしれない。

 

 

 

 

余談

花粉症対策で、なぜ飲み薬をあまり服用しないようにしているのか?
それは、そもそも薬を飲みたくないということもあるが、このエピソードを書いていてふともう一つの理由を思い出した。

きっかけは確か10年ほど前。
やはりこちらの薬局で、「(花粉症用の)飲み薬と目薬を一緒に使用すると、ものすごく眠くなるのでやめた方がいいですよ」「(花粉症用の)眠くなりにくい飲み薬は、鼻水と共に唾液が出るのも抑えるので、喉が渇きます」と教えていただいただき、おそらく私的に「花粉症対策=目薬」が確立したのだ。

で、思えば、その時に教えて下さった店員さんも、ご年配の女性であった。
もしかしたら、同じ方だったかも……(ちなみに店員さんは他に5名。常時いらっしゃるのは2名)。
だとしたら、大ベテラン店員さんは、私にとって貴重な情報の女神なのである……(拝謝)。

 

 


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