この物語はナルシストでイケメンと自負しているニールが出会って恋した女性に必ずフラれる確定の可哀想と思いつつも思わず笑ってしまうお約束なオフザケ物語です笑い泣き



第16話 スキー場は寒いけど俺様の愛の情熱は熱すぎて触ると火傷するぜ炎

運命を感じた白衣の天使ラブ飛び出すハート




シカゴ駅前の咲乱棒ホテルが大盛況過ぎで笑いが止まらないニールは休暇と次のホテルの視察も兼ねてコロラド州のベイルスキー場へ来た。

ここベイルは北米ではアスペンと並ぶ超高級リゾート地である。


「俺様に相応しい場所だぜ。ここで出会う女性とある日突然のフォーリンラブ、悪くないな。こんな俺様と一緒に過ごせる女性は幸せ者だ。ひとりで来たからいくらでも部屋に呼べるし動きやすいよな、ヘヘッ。アレの準備も万端だしな。」


ゴンドラで上がり、中級コースのブルースカイベイスンエリアのグランド・レヴュー方面のゲレンデからカッコつけてパラレルターンで滑っていたが女性を見るためによそ見をした瞬間バランスを崩し木に向かって滑っていっていた。


「ぎゃあ~死ぬ~おかあさま~ピリピリ


雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶雪の結晶



「痛っ」


ニールは目が覚めた。


「ここは…どこだ?俺様どうしたんだ?」


「ドクター、患者さんが意識を取り戻しました。」


「ミスター・ニール・ラガンあなたはスキー場で木にぶつかり転倒してここに運ばれましたが覚えていますか?」


「そういえば俺様バランスを崩して…足が痛たたたた。」


「転倒による内側側副靭帯損傷です。幸いⅠ度の軽度ですので1週間程度で元の生活に戻れます。しかしお一人で来られてますし安静のためにも入院をおすすめします。」


「わかった。入院しよう。その代わりいちばん高い特別室を頼む。」


「かしこまりました。きちんとなさったお身元の方ですので手続きは後程。ご家族には連絡しますか?」


「いや、1週間程度だからしなくていい。ここの滞在は2週間だから。」


「ではお大事に。ミスター・ラガンの専属看護師のテレサに任せてます。何かあれば彼女に。彼女はとても優秀な看護師なのでご安心下さい。」


「ニールさん。私は看護師主任のテレサ・イレヴンです。よろしくお願いいたします。テッサとお呼びくださいませ。」


ニールの目には彼女がめちゃくちゃキラキラ輝いていた。


「この気持ちは…なんだ…俺様どうしたんだキラキラ


またもや担当看護師に一目惚れをしたニール。彼女に世話して貰えるのはめちゃくちゃ嬉しかった、がしかし唯一困ったことがあった。

それはトイレだった。トイレでさえも動くのは禁止だった。ニールはテッサにトイレに行くから松葉づえ🩼を持って来てと言った。


「ニールさんダメですよ。ドクターが一切歩いてはダメだと絶対安静と言ってるんです。トイレなら私にお任せくださいませ。」


といってシビンを持って布団をめくりあげニールに近づいてきた。


「まっ、待ってくれ。自分でするから君はただちに出ていってくれ。」


「お使いになられたこと無いと思いますので初回だけ私がします。」


「いやいや、こんなところ女性の君に見せるわけにはいかない。」


「大丈夫ですよ。今までいろんな患者さんの世話してるので。」


といって素早くニールの下着を下ろした。


「ぎゃあ~~~ガーン


「はい、位置はここですよ。終わったら蓋をするので教えてください。動かないで下さい。少しでもずれたら溢れますからね。はい、蓋をしましたので処置してきますね。」


そういってテッサは部屋を出ていった。


「あんなところみられて俺様結婚できないかも。」


見られなくても結婚できていないのにずいぶん都合のいい考えのニールだった。



翌朝─────


「ニールさんおはようございます。足の具合はいかがですか?血圧計ってあと湿布交換しますね。」


ニールは昨日の事が恥ずかしくてまともに彼女の顔を見れなかった。


「痛たっ。」


「あっ、すみません。さぁこれでちゃんと貼りましたから。早く治るように私がおまじないかけましたからね。」


そう言ってテッサは笑顔でニールに話しかけた。


「君は男性のあんなところ見て何とも思わないのか?」


「無いといえば嘘になります。でも仕事ですし患者さんを少しでも楽になるようになってもらうのが使命だと思ってます。後で身体拭きますから。拭いたあとに痛み止めの点滴しますからね。」


「いやいや、自分で身体ふきはするよ。」


「無理は禁物です。後でまた来ます。もっと私を頼って下さいね。」


そういって部屋から出ていった。


「女性にこんな優しくされたの初めてだ。

いつも笑顔で話してくれて...もしかして俺様の事を好きなんじゃないのか?」


ニールはだんだんそっちに考えるようになった。

テッサは毎日ニールの身体を拭いたりトイレの処理をしたり注射や点滴をするときは大丈夫だからと手を握ってから処置をしてくれるなどしてくれて完全にテッサに恋していた。彼女は自分の事に好意を持っているはずだから告白しようと決心した。数日後に退院して帰ってしまう前にプロポーズをするのだ。


夜、テッサが夜勤と知っていたニールはナースコールを鳴らした。


「ニールさんどうされました?痛むのですか?」


「気分が悪い、ちょっと来てくれ。」


テッサが向かうとニールはベッドの上で座っていた。


「大丈夫ですか?吐き気はありますか?」


「どうしようもない病にかかってしまった。」


「え?」


「君への恋の病にかかっている。治すのには僕と結婚してくれないと治らないんだ。僕の妻になってそばにいてこの病を治してくれないか。指輪は後でどんなものでも買ってあげるよ。ほら、こっちにおいで。ベッドで一緒に寝よう。」


と言って布団をめくった。


「キャー変態~」

テッサは悲鳴をあげて出ていった。



翌朝ニールの所に男性が来た。


「院長のヤブヤデと申します。ニールさん、ナースは常日頃患者さんのために一生懸命世話をしています。どんな患者さんにも平等に。あなたに特別にしているわけではないのです。申し訳ありませんが昨夜の様な事はやめていただきたい。でないと次は警察に通報しますよ。」


「そんなはずはない。テッサは彼女は僕にとても優しく笑顔でいつも接してくれるんだ。」


「だからそれは仕事だからです。あなた程の方がそんな事がわからないはずありませんよね。本日から男性の医大生のインターンにさせます。それでは。」


といって院長は出ていった。


「テッサが僕に好意が無いなんてそんな…。」


数日後、ニールは退院した。

病院中のナースはニールを避けるように歩いていた。


「ちくしょう、あの女、俺様の何がダメなんだよ。俺様の大事な所を見て触ったくせに何が変態だ。結婚したらこんな仕事しなくて良いのに。一生贅沢三昧遊んで暮らせるのに。覚えとけよ。ったくナースってロクな奴いねぇな。ナースってのは俺様の良さがわからないんだな。お前こそ俺様の良さがわかるまで入院しろってんだ。」


「ニール様、こちらでごさいます。」


退院を聞いて運転手が迎えに来ていた。


「もう2度とスキーはしない。ゲレンデのホテルの計画は無しだ。あの病院潰してやる。覚えとけよ。」


そう捨て台詞を吐いてシカゴに帰っていった。


「テッサ、あの人退院したわよ。あなた仕事できすぎるのは良いけどすぐに誤解されちゃって大変ね。」


「でも今回はめっちゃキモチ悪かったわよ。布団の中においでだって。普通は手を握るとかぐらいよ。夜勤だったし肝試しより怖かった~。2度と来ないでほしいわ。いくら大金持ちでもあんなの無理。」


「みんな、ゲレンデで骨折した患者さんが来るからスタンバイして。」


と師長が休憩室に入ってきた。


「わかりました。」


テッサはもうあんな患者は来ませんようにと祈りながら処置室に向かっていった。





なんとか間に合いました。今年もアホブログを読んでいただきありがとうございました。

11月から母の事でバタバタし始めてネタが浮かんでこずに今日までアップできませんでした。

自分のフォローさせていただいているブログを目には通すのですが全部の方にコメントができず申し訳ありません。

母の事で少し落ち着いてきたのでぼちぼちですがコメントしていきたいと思っています。

来年もどうか暇でどうしようもない時や時間潰しに読んでやって下さいませ。

それでは良いお年をお迎え下さい

(*- -)(*_ _)ペコリ

先日、オランダへ嫁いだテリィの娘アンジーの幼少の頃のお話です。彼女の初恋の人はこのひとでした。そして彼女は霊感があったようです。

こちらはオフザケ無しですので安心してお読みいただけますニコニコ



番外編 バラの王子さま


テリィの所属しているRSCのアメリカ公演がニューヨークとシカゴで決まり家族揃ってアメリカに帰ってきた。

そして連日満席で大評判、大成功、大反響で幕を閉じテリィは1ヶ月の休暇を取りシカゴのアードレー本宅に過ごすことになった。

アレクとアンジーにとっては初めてのアメリカである。

シカゴ駅に到着するとジョルジュが待っていた。


「グランチェスター様、キャンディス様お久しぶりでこざいます。皆様お元気で安心致しました。」


と笑顔で出迎えてくれた。


「ジョルジュ久しぶりね。」


「ジョルジュしばらく世話になるよ。」


「ウィリアム様が今か今かとお待ちでございます。それでは参りましょう。」


シカゴの本宅の柵が見えてきたがなかなか門が見えなくて子供達が驚いている。


「何このお家~今まで見たこと無いくらいおっきぃー。」


とアンジーが口をあんぐりと開けている。


「ねぇ、ジョルジュおじちゃんまだ着かないの?僕お腹空いた。」


「アレクシス様あと少しでございますよ。それとわたくしのことはジョルジュでけっこうです。」


「えーダメだよ。大人の人呼び捨てにしちゃいけないってママに言われてるから。ジョルジュおじちゃんで良いよね?ママ。」


「というわけだから許してあげて。」


とキャンディが言った。


「そういうことでしたら…かしこまりました。」


子供達はまだジョルジュの立場がわかってなかった。

遠い昔キャンディがイギリスに向かう時に出会ったテリィといろいろありながらも一緒になり、そしてその子供達におじちゃんと云う呼ばれ方をされて本当はめちゃくちゃ嬉しくてジョルジュは目頭を熱くしていた。



やっと玄関までたどり着き、アルバートのいるサンルームへ4人で挨拶へ行った。


「アルバートさんご無沙汰してます。今日から家族4人しばらくよろしくお願いします。」


と、キャンディ。


「アルバートさんお世話になります。」


とテリィも挨拶した。


「やぁ、テリィ、キャンディよく来てくれたね。疲れただろう。夕食までゆっくり休んで。そちらのかわいいふたりは初めてだね。アレクにアンジーよろしくね。」


とアルバートが微笑んだ。


「僕らもアルバートさんって呼べば良いの?」


とアレクがキャンディに問いかけた。


「何でも良いけどおじいさんだけはやめて欲しいな。」


とアルバートが笑いながら言った。


「じゃあ、バートおじさまって呼ぶことにしましょう。他にもおじさまいるからね。」


とキャンディがふたりに言った。


「アーチーおじさまもいるよ。」


後ろからアーチーの声がしてアニーと子供達も一緒に来た。


「アニー」


「キャンディ会いたかった。」


「私もよ。」


ふたりは感動して泣きながら抱擁した。

アンジーは目の前にいる女の子と目が合い微笑み合った。


「あたし、アリスっていうの。あなたは?」


「あたしアンジー。」


「ねぇママ、アンジーとお庭に行って良いでしょ?」


「仕方ないわね。夕食までに帰ってくるのよ。」


「はーい。」


アリスとアンジーは声を揃えて走って行った。


「お庭広くて迷子になりそう。」


「アハハ。私なったことあるよ。でも見つけてくれるから大丈夫。ねぇ、あそこのバラ園まで競争よ。」


「うん。」


ふたりは全力疾走していた。


「あっ。」


バラ園に入ったところでアンジーがこけてしまった。

起き上がって走ろうとするけど足を痛めて思うように走れない。アリスがだんだん遠くになり小さくなっていく。


「待ってぇ、アリス。痛い。ママ…」


痛いのと誰もいない寂しさで泣いてしまった。すると背後から男性の声がした。


「泣かないで、ベビーちゃん。」


アンジーはキョロキョロしていると目の前にいた。


いがらし先生のイラストお借りしました。


「大丈夫かい。さぁ泣き止んで。僕が起こしてあげるよ。よいしょっと。」


とアンジーの手を取り抱き上げて身体を起こし座らせた。


「あなたは誰?どこかの王子さま?それともここに住んでる人?」


「そうだなー、住んでるような住んでないような。でもここのバラ達はもともと僕が作り上げたんだ。」


「じゃあ、バラの王子さまね。」


「王子さま?そういえば昔もそう言われた事があったな。君みたいにグリーンの目をしていて…。そうだ、こっちにおいでよ。僕の自慢のバラを見せてあげる。」


彼のあとを付いていったアンジーはそのバラたちを見て感動する。


「素敵。白に緑の縁があるみたいな感じ。こんなバラ見たこと無い。」


「これはスウィートキャンディっていうバラなんだ。」


「ママと同じ名前。」


「君のママから名前を取ったんだよ。」


「じゃあ、ママのお友達なの?」


「そうだね。お友達だね。」


「あっ、もう帰らなきゃ夕食前に帰らなきゃなの。そうだ王子さまも一緒に来て食べようよ。」


「僕も帰らなきゃ。また会おう。」


アンジーは王子さまを見送ると無性に眠気がもよおしその場で寝てしまった。




「…ジー、起きなさい、アンジー。」


キャンディの声でハッと目が覚めた。テリィの背中におんぶされていた。


「あれ、ママ…。」


「良かった。アンジー探したのよ。あなたったらバラ園の中で眠りこけていたんだから。」


「寝てないよ。ねぇ、あのバラ園に王子さまがいたの。」


「アンジー、何言ってんだ。ここにはそんな人いないぞ。王子さまが出てくる夢でも見たんだろ。」


「違うもん。めちゃくちゃカッコ良い王子さまだったんだから。」


「パパよりもカッコ良いのか?」


とテリィが過剰に反応した。


「パパと同じくらいカッコ良かった。」


「アンジーそう言うときはパパの方がカッコ良いっていうのよ。」


「でもパパよりも年下だったよ。」


「今度そいつ見かけたら連れてこい。直接パパとカッコ良さの勝負だ。」


「もぉー、テリィったら張り合わなくても。」 


3人は笑いながら屋敷の中へ入っていった。



翌日───


アンジーはひとりでバラ園まで来た。すると昨日のバラは1輪も咲いていない。咲いているのは赤のバラだった。


「おかしいなぁ。」


「何がおかしいんだい?」


後ろを振り向くと昨日の少年がいた。


「あっ、王子さま。昨日のあの綺麗なバラが無いんだけど。」


「こっちだよ。おいで。」


奥に行くと昨日と同じバラが咲いていた。


「やっぱりこのバラがいちばん綺麗だね。」


「気に入ってくれたんだ。」


「うん。だってママの名前も入ってるしね。ねぇ、おともだちなのにママにどうして会わないの?」


「会いたいけど会えないんだ。君のパパにママの事をお願いしてるから会えなくても大丈夫だ。アンジーはパパとママは好き?」


「大好き。ママはめちゃくちゃ優しいしパパは何でも買ってくれるの。」


「そっか。じゃあ、大好きなパパとママに悲しい思いをさせちゃダメだよ。いいね、約束だ。」


「うん約束する。守るからアンジーね将来王子さまのお嫁さんになりたい。」


「僕の?ハハハ、アンジーはおませだね。」


「おませってなぁに?」




「アンジー、どこにいるの?」


遠くからキャンディの呼ぶ声が聞こえてた。


「君のママが探している。ここだよって言ってあげて。」


「ママー、ここにいるよー。」


キャンディがはぁはぁ言いながら来た。



「もう、すぐにいなくなっちゃうんだから。みんなでお墓参りに行くからあなたも来なさい。」


「うん。あっ」


アンジーはキャンディに少年のことを言おうと後ろを振り返ると誰もいなかった。


アンソニーとステアの墓参りをして屋敷に帰ってきた。


「ねぇママ、お墓参りした人たちってどんな人。」


「ママの大切な人たちよ。そうだバートおじさま専用のサンルームに肖像画があるから見せてもらおうか。」


アルバートの許可をもらいキャンディとテリィとアンジーとアレクは、アードレー家の代々の肖像画を見せてもらった。


「この人が初代のアードレー総長なんだ…。」

端から順番に見ていき、アンソニーのところにさしかかったところでキャンディは胸が熱くなった。


"アンソニー、久しぶりね"


と感傷に浸っているとアンジーがあーっと大声をあげた。


「アンジーどうしたの?」


「このひと…バラの王子さま。ここのバラ園で一緒にいたよ。」


「アンジー、本当?」


キャンディが声を荒らげる。


「本当だよ。お墓参り行く前まで一緒にお話してたの。スウィートキャンディっていうバラを見せてくれたよ。」


「アンジー、案内して。」


「キャンディ!!」


テリィの叫びも耳に入らずキャンディは全力疾走でバラ園に行った。

アンジーも遅れて走って行った。

バラ園にたどり着くと赤いバラしかない。


「ママこっち。」


アンジーの案内で奥に行くと赤いバラたちとは離れた場所にひっそりと、しかし堂々と静かに綺麗に咲いていた。まるでキャンディにいつ見られても良いように。


「アンソニー…。」


キャンディは泣き崩れてしまった。


「王子さま、ママの事おともだちって言ってた。おともだちだったらなんで会わないの?って聞いたの。そしたらパパにママの事をお願いしてるからいいんだって。」


夕食後、寝室でテリィから昔そう言われたと聞いた。


「俺は直接会ってない、夢でそう言われたんだ。隠しているつもりは無かったが、あくまで夢だったから。言えば良かったな、すまない。」


「ううん、そんな事があったのね。アンソニー、私の前には現れてくれないのね。」


「君が向こうの世界に行ったら会えるさ。それまで恥ずかしくないよう精一杯生きなきゃな。」


「そうね。」


テリィはキャンディを抱き締めて改めてキャンディを守り幸せにすると誓った。



それから年月がたちその後何度もアードレー本宅に行きバラ園に行ったがアンジーはアンソニーには会えなかった。

一度はレイクウッドの別荘を手放したがそのあとすぐにアルバートは買い戻した。


イギリスのテリィたちの自宅の庭には分けてもらったスウィートキャンディが咲いている。



テリィが迎えに行き聖セントポール学院からアンジーとアレクが久しぶりに帰ってきた。


「わぁ、スウィートキャンディが沢山咲いている。」


「ママが一生懸命に手入れして育ててるからな。」


このバラのにおいを嗅ぐと王子さま、アンソニーの事を思い出す。

久しぶりの4人揃ってのディナーの時のアンジーの発言にテリィはショックを受ける。


「実はさ、スウィートキャンディ見て思い出したんだけどね。バラの王子さまことアンソニーおじさまって私の初恋なんだよね。6歳のクセに一目惚れってこれなんだって思った。」


「まぁ、男の俺から見ても超イケメンだよな。父さん王子様が生きてなくて良かったね。ヤバいんじゃない?母さんどころか娘にまで心奪われてるじゃんか。」


とアレクが爆笑している。


テリィは黙って寝室に入っていってしまった。


「アンジーまでアンソニーの事を…まぁ、でもただの初恋だから。」


と自分に言い聞かせていたがショックは図りしれず大きかった。



現在…。ハウステンボス宮殿にアンジーはいる。

宮殿の庭にもスウィートキャンディが咲いている。

あれから何年たったのだろう。毎年スウィートキャンディが咲くとバラの王子さまを思い出す。


"アンソニーおじさまったら私はあなたのお嫁さんになりたいと言ったのに現実は本物の王子様のお嫁さんなんて…違うっちゅーの。"


とクスッと笑った。


内緒でアルバートからもらったアンソニーの写真を大事に誰にも見られない様に宝物の箱にしまっていてはたまに眺めてうっとりしている。


「やっぱ私ママの娘ね。王子さま。パパがあんなにショック受けるなんて思わなかった。だからコニーには絶対ナイショ…ね。」


素敵な笑みを浮かべてこちらを見ているアンソニーの写真に話しかけていた。



天空にて──────


「アンソニー、キャンディの娘に会ってきたのか?」


とステア。


「うん、心が純粋だから会えたよ。僕のお嫁さんになりたいなんて言ってくれてさ、めちゃくちゃ可愛くて思わず抱き締めそうになったよ。良く動くグリーンな目に感激した。キャンディが娘を産んだと聞いたとき絶対会いたいと思って…。やっと会えたよ。でももう次は会えないな。そっちはどうだったんだ、ステア。」


「パティ、今ひとりの男性と良い感じになってる。いい人みたいだから黙って見守ることにした。無理に忘れなくて良いって僕の事も認めてくれているんだ。」


「そうか。お互い安心だな。」


「そうだな。でもアンソニーが自分の娘の初恋なんて言われてテリィは複雑だろうね。」


「まぁ、そのぐらい意地悪しても良いんじゃないか?」 


「そうかもな。」


大声で笑いながら今日もキャンディとパティの幸せを見守っている。




今回もお読みいただきましてありがとうございますもし、アンジーの初恋がアンソニーだったらという妄想が膨らみ書きました。

キャンディは6歳の時にアルバートさんに初恋をしてアンジーは6歳の時にアンソニーに初恋をする。

あんな少年たちに女の子が恋しない訳無いですよね。

過去にアンソニーがテリィにキャンディの事を頼んだお話あります。まさに夢だけに夢の共演、な~んて🤭

まだでしたらこちらも是非。

この機会に少し書き直しました。

















この物語はナルシストでイケメンと自負しているニールが出会って恋した女性に必ずフラれる確定のちょっと可哀想と思いつつ思わず笑わずにはいられないコッテコテの濃いーオフザケなお約束の物語ですてへぺろ



第15話 ニールは"いい人"なんですけど…





某日ラガン家──────



シカゴの駅前にニールの構想した高層ホテル『エターナル咲乱棒(Sakuranbou)』がオープンすることになり、今夜記念パーティーが執り行われることになり母サラの兄妹も招待されておりラガン家に集まった。


「おば様達もういらっしゃっていたのですか。」


「まぁ、ニール。また1段とイケメンになって。」


「やだなぁ、チャワンおば様相変わらずお上手で。」


「本当よ、ニール。こんなイケメンがまだ独身なんて世の中の女性たちはいったい何をしているのかしら。」


「オワンおば様まで、恥ずかしいなぁ。」


ニールの母、長女サラを筆頭に次女のチャワン、3女のオワンと三姉妹である。

そして三姉妹の兄のハシオキがいて4人兄妹だ。

次女のチャワンの夫はドンブリ、3女のオワンの夫はユノミ、兄のハシオキの妻はキュースである。


そしてホテルの大広間でパーティーが開催され、父レイモンドがニールに言った。


「ニール、お前は私の自慢の息子だ。ホテルオープン記念プレゼントとしてたくさんの令嬢を招待した。皆良家のお嬢さんだ。お前が気に入った女性を一人選べ。その女性はお前の妻にしても良いぞ。」


「ありがとうございます。お父様。」


ニールは早速令嬢達の周りを徘徊、いやさりげなく前をウロウロしだした。


「ニール様、ホテルオープンおめでとうございます。これはうちの娘です。よかったらダンス踊ってやってもらえませんか?」


「これはこれは、とても綺麗なお嬢さんで、お誘いいただき光栄です。」


この日はニールは令嬢に引っ張りだこだった。

みんな次期ホテル王のニールの妻の座を狙っているのである。普段アホでポジティブシンキングのニールでもさすがに理解していたが常連客の令嬢なので無視するわけにはいかなかった。


「あんなに俺様に好意を見せていても本当かどうかイマイチ信用できない。やっぱり結婚は相思相愛が良いなぁ。」


誰もときめかない令嬢達の相手に疲れたニールはそうっと抜け出し自分の部屋に行こうと歩いていたら、座り込んで壁にもたれている気分が悪そうな女性を見かけた。


「どうされました?ご気分でも悪いですか?」


「はい、普段飲まないワインを飲んだもので…。」


ニールはしゃがみ、その女性の顔を見たときときめいた。


"かっ、可愛いキューン飛び出すハート"


「横になった方が良いですね。お部屋ご用意しましょう、歩けますか?」


「はい、申し訳ありません。」


オープン前だがニールはいちばん近い部屋に連れていきその女性を寝かせた。


「すみません、オープン前なのでシャワーは使えませんがトイレは使えるように言っておきます。何かありましたら電話があるので受話器をお取り下さい。フロントに直接繋がってますので。」


「何から何まですみません、ありがとうございます。」


「いえいえ、お大事に。それでは失礼します。」


ニールはパーティー会場に戻り夜な夜な令嬢達の相手をし続けた。

お開きになった後フロントで彼女のことを尋ねると無事に帰ったと言うこととニールに感謝の言葉を述べていたと聞いた。


"あの子かわいかったな。また会えないかな…。"



最新の設備でホテルがオープンした。

屋上にはプール、最上階はジム、1階はBARとカリスマシェフが経営している高級レストランとカフェ、そして女性客を狙った一流ブランドコスメとコラボのホテルオリジナルアメニティ、全ての部屋にジャグジー付きと何もかも完璧ですぐに満室になった。

そしてニールの接客は素晴らしいと評判だった。


「アメリカには無い接客よね。」


「おもてなしが素晴らしいわ。どこで学んだのかしら。」


"大阪での商売の修行が役にたったな。さすが商人の町だ。浪速で学んだお・も・て・な・し、裏もなし、が役に立ったな。"


ニールは常連客の顔と名前は全部覚えていて、話しかける時は必ず相手の名前で間違えずに呼ぶというところがとても評判だった。


「やっぱ俺様って凄いよな~⤴️」


フロントから社長室に向かうなか、あのときの女性を見かけた。するとその女性も気がつきニールの方へ駈け足で来た。


「あなたは、あの時の...キャッ」


「危ないっ。」


女性は他の客とぶつかりそうになったのを避けようとしてバランスを崩し転倒しそうになったがすんでのところをニールが走り寄り受け止めた。


「危なかった。」


「すみません、また助けていただきましたね。」


「あなたのような方なら何度でも助けますよ。むしろ大歓迎だ。」


女性の顔は恥じらいで顔が真っ赤になっていた。


「申し遅れました、私ユイ・コノクニヤと申します。あの時はありがとうございました。直接お礼を申し上げたくて、父に頼んで予約をしました。ここに来たらまたお会いできると思って。やっぱり会えました。父は会員制の大型スーパーマーケットのヤメトコを経営しています。」


「そうなんだ。僕はニール・ラガン。僕の家、朝食のパンはたまにお世話になってるよ。親父が好きでね。もちろん僕も美味しくいただいているよ。」


「まぁ、父も喜びます。私、あなたにお礼をしたくて。でもどうすれば良いかわからなくて…どうしましょうか。」


「お礼なんて、僕はホテルマンとして当たり前のことをしただけだよ。そうだなぁ、じゃあお礼として僕と食事に行ってくれないかい?」


「私なんかがご一緒して良いのですか。」


「もちろんだよ。今夜19時にここのレストランでなんてどう?」


「喜んでお受けします。では失礼します。」


ユイはペコっとお辞儀をして満面の笑みで部屋に戻って行った。

ニールは彼女の笑顔にやられていた。


「俺様、もう恋しちゃった。」


ニールは心の中でこの歌をずっと歌っていた。



よかったら聴いて下さい。面白さが倍増するかもです🤭

そして19時になりふたりはレストランの個室で食事をしていた。

「私、このホテルの社長様だと気付かなくて...ホテルマンとおっしゃっていたのでお若いし、てっきり普通の従業員の方だと。大変失礼いたしました。」

「まぁ、アメリカで20代で社長なんて僕くらいで珍しいからね。」

「あの、ニールさんはアードレー財閥のお身内なんですよね?」

「あれ、バレちゃった?なるべくアードレー家系列の人間って隠してるんだけどやっぱりわかっちゃうんだね。」

と言いつつ、は本当はバレてめちゃくちゃ嬉しいニールだった。

「アードレー家の名前を借りずに、僕だけの力でホテル経営をアメリカナンバーワンにするのが目標なんだ。」

「わぁ素敵です。私実はストラドフォード劇団にいたテリュースのファンで…たまにイギリスに行くんです。奥さまがアードレー家のご令嬢ですよね。ニールさんももちろん面識あるんですよね?」

「ああ、キャンディかい?アイツもともと孤児院にいたんだぜ。それを僕の両親が拾ってやったんだよ。僕の家の馬番や召し使いだったのにうまいこと取り入ってアードレー家の総長の養女になったんだ。昔僕がせっかく結婚相手としてみそめてやったのに婚約パーティーの時にわざわざみんなの前で解消宣言してとんだ恥をかかされたよ。」

「まぁ、その前におっしゃれば良いのですのにね。でもご令嬢なのに看護婦の資格をお持ちになって自立された女性で私尊敬しています。」

「まぁ、僕とテリュースは親友に近い関係だから彼女を譲ったけどね。僕に申し訳なさそうにイギリスへ行ったよ。」

とニールは嘘八百並べた。

「ニールさんは好きな方の幸せを優先に考えるいい方なんですね。」

「そぉなるのかな、ハハハ。でも君に出会ってキャンディをテリュースに譲って良かったって心から思ってるよ。また会ってくれないかな。」

「私でよければお願いします。」

この日をきっかけにふたりはニールの仕事の合間を縫って会うようになった。
疲れているのにも関わらず、ニールは時間のある時はユイの自宅まで迎えにいって彼女の行きたいところに行き、その後は食事に行くというデートをするようになった。

「ニールの行きたいところは無いの?私ばっかり決めてるけど。」

「僕は大丈夫だよ。君の行きたいところが僕の行きたいところなんだ。」

ニールはユイに対していつもニコニコしていた。

「あーあ、もうお別れかぁ。家まで送ろう。」

ユイを自宅まで送りドアを開けてあげた。

「今日はありがとう。ニールって本当に優しくて、いい人だね。」

「何言ってんだ、普通だよ。じゃあ…」

と顔を近づけて肩を抱き寄せキスをしようとして口を尖らせ目を閉じたがユイはすり抜けて帰って行った。

「カワイイ、照れてるんだな。そろそろキスしても良いと思ったけど焦らずゆっくりと愛を育もうか。アレを使うのも時間の問題だな。」

ニールはご機嫌で帰って行った。もう嫌われているとは露知らず。

その日を境にユイを誘っても忙しいからと何かと理由をつけて断られるようになった。

「ユイ、またニールさんお誘いに来ていただいているのに行かないの?あの方の何がいけないの?あんなにあなたのことを思っていてくれていい人じゃないの。お家柄なんて申し分全く無いのに。」

「確かにいい人よ。でもあまりにもいとも簡単に私を優先にしてくれてときめかないのよ。刺激というかギャップとか不安も全然無くて。私の事どう思ってるんだろうとか会えないと何をしているのかな、とかその方が会いたいって思っちゃうし、会えた時が新鮮で嬉しさは更に倍、最後は、はらたいらさんに全部ってなっちゃうのに。」

「ユイ、恋はクイズダービーじゃないのよ。時間があったら会いに来てくれて嬉しく無いの?ママなら嬉しいけどね。」

「しょっちゅう会ってるとあんなにいい人でも、会えても会えなくても"どっちでもいい人"になっちゃう。重いのよ、気持ちが。必死感ハンパなくて心の内が読めて面白く無いったらありゃしない。このまま付き合うと、"都合のいい人"としてしか付き合えない。」

「そんな事言って。誠実そうな方じゃないの。」

「それに彼ってテリュースの奥さんの悪口を言うのよ。身内なのにボロクソに言うの。テリュースの奥さんが自分の身内なら普通は自慢とかするじゃない。彼女の生い立ちがどうこうとか。私がテリュースのファンだからっていうのと婚約破棄されたから奥さんの悪口を言ってるのかと思っただけかと思ったら、ものすごい下に見てて本当に婚約しようと思ったのかしらと思うくらいなのよ。あれを聞いてもう"どうでもいい人"になったわ。」

後日、ユイからニールに手紙が届いた。


ニール様。

ここ何ヵ月かお付き合いをさせていただいてましたがごめんなさい。
とてもいい人すぎて私にはもったいないと思いました。一緒にいる時全て私の意見を尊重してくれるのは嬉しいんだけどその反面ニールはそれで楽しいのかな?何も意見を言わないのはどうでもいいと思っているのかな?といつも不安でした。
私はニールの意見も聞きたかったの。喧嘩もしたかった。ふたりで共有したくて楽しみたいのに正直私ばかり決めされられてうんざりでした。
それにテリュースの奥様の悪口を聞いたときガッカリしました。
ニールにはこんな器が小さい私よりもっとふさわしい人と幸せになって下さい。
今までありがとう           ユイ

ニールは手紙を持つ手が震えて泣いていた。

「俺様は君に楽しく過ごして欲しいし機嫌を良くして楽しく過ごしたかっただけなのに。不安にさせない方が良いんじゃないのか。チキショー。」

ニールは怒りに任せて仕事用のカバンを放り投げた。衝撃で中身が出てきた。仕事の帰りにいつもユイのところへ行っていたので用意周到していたいまだに未開封の"アレ"が哀愁漂って転がっていた。




今回もお読みいただいてありがとうございます。
いい人って恋愛には発展しませんよね。
ニールの場合、いい人→都合のいい人→どっちでもいい人→どうでもいい人と変わって行きました。
要するにつまらない人だと最後は判断されてしまったようです。
やっぱりギャップのある人は引き込まれますよね。
テリィみたいに…おねがい