家人がかねてから精進料理が食べたいと言っていたので、休日に予約しておいた。近いところでと思って探したところ、総社に「金亀」というお店が有った。金亀は宝福寺の隣にある。宝福寺といえばあの画聖雪舟が幼少の頃、涙で鼠の絵を描いたお寺である。









 県道からも近くアプローチは便利だった。停めるスペースも十分だ。駐車場とか行程とか、最近はこういったところが気になるようになってきた。行くまでに気を使いすぎると楽しめるものも楽しめなくなるからだ。


















 精進料理だったが、熱燗を頼んだ。メニューリストを見ると、先日酒蔵開きに訪れた「三宅酒造」が目についた。迷わずそこの酒にした。途中、湯豆腐、茶碗蒸しが出てくる。茶碗蒸しは精進料理には違和感があった。然しこれは美味かったので、堅い事は抜きでいいだろう。竹の子ご飯とみそ汁が出たが、みそ汁の具に土筆が入っていたのには感動した。






 食べ終わって駐車場のところに出てみると、初老の男性に出会った。胸の前で手を合わせて「ありがとうございました。」と挨拶してくる。ここら辺がお寺さんなんだと感じるところである。「ごちそうさまでした、本堂はどちらになりますか?」ついでに寺に参ろうと道を尋ねた。ここから歩いて行ける距離のようだった。砂利道を200mばかり下ると本堂らしき建物の裏に出た。ついでに御朱印を貰おうと思ったが、本堂はセルフサービスになっており、人の気配がない。「用事がある方は事務所まで」とあったが、空いている様になかったので、この日はあきらめることにした。



 昼が足りない時は、建部で蕎麦を食べようと思っていた。「そば処でんしょう坊」という実に蕎麦屋らしい蕎麦屋がある。然し乍ら、最後の竹の子ご飯で腹八分目にはなっていたので今回は遠慮した。何故建部?と思われるかもしれない。実は、建部にある「八幡温泉」がこの4月にリニューアルオープンしたのだ。以前からここのお湯が好きで何度か来た事がある。



 建部町温泉国際会館が3月で閉鎖になって、「たけべ八幡温泉」となって復活した。ここは以前「さんたけべ」があったところである。ここのお湯は柔らかくて肌触りがよい。ぬる湯でも暖まるので湯温が低く長湯が出来るのが特徴だった。果たして、この長所は生かされているだろうか。期待と不安が入り交じっての入湯となった。



 サウナがあったが、6人も入ればいっぱいになる程の狭さだ。あまり大人数は想定されていない。サウナから上がって水で流して、水風呂に入る。ここで「あれっ?」と思った。横の表示を見て納得する。源泉そのままだったのだ。源泉は温度が低いので通常は沸かして風呂にする。然し乍らこの水風呂は源泉そのままなのだ。温泉の使い方が実に素晴らしい。この後露天風呂に入った。浴槽は2つあった。最初に手前の浴槽に入った。八幡温泉らしく温めでかけ流されている。これもまた感動した。続いて奥の浴槽に入る。入ったとたんこれは温泉でないと感じる。こっちは単なる露天風呂。表示を見ると「露天風呂」としか書いていない。先ほどの浴槽には「露天風呂、源泉掛け流し」と表示してある。正しく表示してあるのは好感が持てる。内湯には温度表示がしてあった。「35」「38」とある。いいね~、八幡温泉はぬる湯がベスト。ちゃんと温泉が生かされており、感動してしまった。家人とは40分後と約束していたが、1時間を過ぎていたので、少々機嫌が悪いようだった。良い温泉に入ると時間を忘れてしまう。ここの温泉はお勧めです!