万葉集にも歌われた1360年の歴史を持つ温泉、古くより博多の奥座敷として栄えてきたそうな。然し、歓楽街的な要素はなく、施設も個々と言う感じで温泉街としての余興はない。町をぶらぶらするにも夜にはネオンもなく静まり返っている。





 今回宿泊した大丸別荘は昭和天皇も宿泊された由緒ある宿。当然二日市温泉の象徴的な、中心的な存在だと考えていた。















 先入観とは実にとんでもないミスリードをする。大丸別荘に行き着くのに道に迷いまくって、挙句の果てには車がやっと通れるような細い路地に嵌ったりもした。それは何故か?入り口は当然温泉街にあると思っていたから。昔は温泉街の方に正門があったそうだが、現在は交通量の多い片側2車線の県道側に入り口があったのだ。











 然しこれにはかなり違和感があった。温泉街に背を向けたような格好になっているからだ。温泉地とは色んな施設が向き合って、街を形成し共存共栄する形だと思うからである。




 夜に街へ繰り出して飲みに行こう~、と思っても店が殆どない。大丸別荘の裏手に(入り口の反対側)にある「徳助」と言うお店を予め食べログで調べていた。評価云々等言ってる場合でない、そこぐらいしか飲めるところがないので。






「ここの温泉も寂れてね~、元々お湯の温度は低いし、量も少ないからね。お湯も特徴ないし。」と主人がぼやく。お湯の量(湧出量)が少ないと、新たな施設は作れない。基本的に現施設でやっていかないといけない。お客を呼び込むには今流行のスーパー銭湯形式が受けるだろから。泉質は決して悪くないと思うのだが、九州は温泉地が多いから、インパクトに欠けるのかもしれない。アルカリの柔らかい良いお湯である。




 名物料理の鯵の活け造りは美味かった。会計を済ませる間、ふと横を見ると鯵の泳ぐ水槽があった。他の魚はいない。決して派手さはなかったが地道にやっているお店だと感じた。