$うえまさのニッキ

ビッグ・ドンが打てなくなって色んな台を打っていたある時、ビッグ・ドンを攻略したTが、大一のスーパーセブンの攻略法があると言ってきた。よくよく聞いてみると、これは大阪の方の知り合いから聞いた話で、もう既に広まりつつある攻略法だった。然し都会の方では有名になったが、まだまだ地方では行けるだろうと言う事だった。この攻略法は50万円。Tは10人で5万ずつ出して買おうと言ってきた。5万と言ったら学生にとったら大金であったが、Tはパチンコに於いては皆から信頼されていたので、この話に乗ることにした。

早々に情報を手に入れ実践に移す。攻略法はデジタルの2連続回しが基本で、1回目と2回目の出目によってボタンを押すタイミングを決める。上手くタイミングが合えば100%中デジタル、右デジタルが揃う。と言う事は左が合えば3桁揃うので、確率は10分の1ということになる。

3桁の数字の中、中と右の数字の差を1回目、2回目で組み合わせるのだが、結構複雑だった。下の表の様に1回目横軸、2回目が縦軸になる。956→410とくれば1回目が5-6=9、2回目が1-0=1になって、最初の「9」で一番右の列、2日目の「1」で上から2番目となり、4回目のタイミングでボタンを押す。台の赤いランプが一定間隔で点滅しているので、その回数に合わせる。


   0と5 1と6 2と7 3と8 4と9
0と5 2   1   ×   4   3
1と6 3   2   1   ×   4
2と7 4   3   2   1   ×
3と8 ×   4   3   2   1
4と9 1   ×   4   3   2

トロピさんのブログから引用させていただきました)

攻略法の寿命は、その破壊力が大きければ大きいほど短い。スーパーセブンの攻略法はビッグ・ドンとは違って、連ちゃんのスピードは速く、その気になれば1日10万はいける凄まじいものだった。然し、当時のデジパチでは2~3万も勝てば大勝ちで、それ以上勝つとなるとかなり目立ってしまう。勝ち過ぎると違和感があったのだ。2~3万でも毎日勝っていたらおかしいと言う事で店員に目をつけられてしまう。店と共存する事も大切なのだ。出し過ぎて追い出されてしまったら元も子もなくなってしまう。

この攻略法は、二つの数字の組み合わせでボタンを押すタイミングを決めるのだが、中々覚えられなかった。だが時間がないのでゆっくり覚えている暇はない。うる覚えで実戦に臨むしかなかった。羨ましい事に、要領の良いOはタイミング良くボタンを押して大当たりを引き当てていた。こっちは引き算をして、組み合わせて、そうこうしているうちに押すタイミングを逸したりしていた。それでも勝つ事は出来た。でも、ちゃんと覚えればもっと勝てる事は明白だった。このままでは折角の攻略法が生かせないと感じ、必死で対策を考えた。そこで出てきたのが5角形で覚える方法だった。押すタイミングの所に予め数字をセットしておく。次の差の分だけコマを進めるとそこが押すタイミングになる。まとめると下の表の様になる。丸で囲んだ数字が押すタイミング、外の数字は最初の差である。2番目の差が出ると、その分だけ右まわりに進む。その時の丸で囲んだ数字が押すタイミングになる。先程の例で行くと、956→410とくれば1回目が5-6=9、2回目が1-0=1だった。1回目は「9」であるから、4の所からスタートする。つまり右下になる。そして2回目は「1」なので、一コマ進む。すると丸で囲んだ数字は4なので、4回目に押す事がすぐに分かる。この表のおかげで間違える事が無くなり、確率は数段アップした。

$うえまさのニッキ

これは名案だと思ってOとかTに提案したが、彼らは既に表を完璧に覚えていたので、余計な事を言ったら返って混乱すると相手にしてもらえなかった。それでも、上手く覚えられてなかったNには感謝され、彼もこの方式で臨むようになった。

やっとマスターしたと思ったら、最初のホームグラウンドだった泉田の「ダイイチ」(今はバージン)では、既に自分たち以外のグループもストップボタン攻略をしている者もいて、ボタンを押す人間は全員追い出されていた。何回か連続でかけると後ろに店員がへばりついて、ボタンを押してかけようものなら、その場で無効、直ぐに退場になった。そんな中、Tはちまちまと出して決して目立つ事無く、結構長い間そこで打っていた。この辺はさすがである。早急に、次の設置店を探さなければならなくなった。そう、時間はあまりない。