ポズナー米連邦最高裁判事といえば、「法と経済学」をかじった人間であれば誰もが知っているフロントランナーです。
もちろん、私など足下にも及ばないでしょう。
彼の著書でなかなか(多くの方々にとって)興味深いのが「性について」という文献です。
ポズナー判事は、性行為を「コスト・ベネフィット」で考えます。
まず、ベネフィットとしては、「性行為」そのものによる快楽のみならず、相互理解を深めるところまで言及されています。
早い話、「性行為なくして相手を理解できない」ということのようです。
次に、コストは今日の技術進歩によって急速に低下していると述べておられます。
性病、妊娠の危険、などは言うに及ばず、男女ともに「性行為」→「結婚」という図式が今日ではなくなっているということです。
また、女性の社会進出に伴って、「性行為」→「結婚」というのはキャリア形成にとって不利益な場合があり、仮に「性行為」があったとしても「結婚」するか否かの自由は女性に留保されるべきだとも説いています。
その裏側として、男性も「性行為」→「責任をとる」→「結婚」という図式はナンセンスだと説いています。
要するに、現代社会において「性行為」と「結婚」は全く別物であり、それを混濁するといい人生を歩めないというような論旨であります。
米国では、経済学的素養のある法律家がたくさんいて、ポズナー判事はその最先端でありましょう。
では、人間を抑制しているのは何かというと、キリスト教的教義であったり古いモラルであるとのことです。
頭を白紙にして考えれば、寄り添っていて、さらに性行為に及んでも快楽を得られるのであれば、妊娠や性病などが確実に予防されている今日、それを敢えて自重する理由は見当たりません。
もしかしたら、100年後になったら歴史の教科書で「愛し合っている男女の性行為も結婚を前提にしないと許されなかった時代があった」と書かれるかもしれませんね。




