入院体験② ~アンギオ検査~ | 片耳日記 〜 Acoustic neuroma 〜

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2017年の11月に聴神経腫瘍が見つかり、2018年の5月に摘出手術を受けました。現在は年1回の経過観察通院中。手術により右耳の聴力を喪失。
そんな”片耳生活”のアレコレをブログにしたためています。
試しにgoogleで、「片耳日記」と検索してみてください(^^)

検査入院時のメインイベント「アンギオ検査」の体験について書いておきます。

アンギオ検査というのはアンギオグラフィ(Angiography)という手法を用いて、体のあちこちの血管の様子を調べる検査のことです。
「アンギオ」は「血管の」という意味で「グラフィ」は撮影法とか造影法というような意味なので、日本語では血管造影法と呼ばれています。

ちなみに私たちが受ける脳の手術に関する血管の検査は「脳血管造影検査」です。

 

血管造影は、簡単に言うとレントゲンで血管を撮影するのですが、普通のX線写真では血管の中の血液と周りの人体組織とを明確に区別した写真が撮れません。それで、調べたい血管にカテーテルという細い管を入れて、そこから造影剤という体を通り抜けるX線の減り具合を強める薬を注入して撮影します。すると、血管と周りの組織との区別がはっきりして血管の様子がわかるようになるという寸法です。

 

これで腫瘍の周りの血管の様子や腫瘍自体に栄養を送っている血管の有無など調べます。腫瘍に太い血管が入り込んでいると、手術の時、出血の危険が大きくなるので、そういう場合は手術の前にあらかじめ問題のある血管を閉塞させる処置をするそうです。

私の場合、アンギオ検査は入院3日目の午後に行いました。

この検査入院の中で一番のイベントなので、前の日から緊張していました。

検査の説明時にも手術並みの体制で行いますと告げられていましたので...。

 

病室で点滴の準備をするのですが、検査する医師のリクエストは左腕。私は右腕の方が血管が出やすいのに何故かなぁと思っていたら、検査室に行ってからわかりました。医師が私の右側で作業するので、右側で点滴をとると邪魔になるからなのですね。おそらく医師の利き腕で場所が変わるようです。

時間になると、あちこちをマジックテープで貼り合わせる青い検査着(手術用?)に着替え、16階の病室から看護師さんに連れられ、エレベータでずっと下の検査フロアに移動します。検査着の中は、ほぼスッポンポンなので、満員のエレベータはちょっと恥ずかしかったです。

広い検査室の中に入ると、いろんな機械がついた検査台がぽつんと1台ありました。
タラップのような踏み台を自分で上って検査台に横たわります。緊張します。
看護師さんが点滴やらなにやら支度をしてくれている間に検査担当の医師が登場します。
帽子をかぶってマスクしているのでどんな先生かわかりません。
「局所麻酔でやりますのでね、こんなふうに話しながらできるんですよ。」
と緊張を和らげるためか、声をかけてくれました。

 

カテーテルは右足の付け根の動脈から入れました。

麻酔をしてしばらくすると、もう痛みは感じませんが、

意識ははっきりしているのであまり気持ちの良いものではないです。

医師の手の動きから、私の体の中にカテーテルがどんどん入れられているのがわかります。

「もう、頭のあたりまで行きましたよ。」と医師。早っ。

 

頭の左右2カ所ずつ、計4カ所のポイントで造影剤を入れるようです。

どういう操作でカテーテルの向きを変えるのか謎です。

「今から入れますね~。」と医師。その度に頭の中で「花火」が打ち上がるみたいに、まぶたの裏側がチカパカなりました(^^;

 

アンギオ検査は、事故さえ起こらなければ痛くも苦しくもない検査だと思います。その事故も患者さんが高齢であるとか、極端に状態が悪い時などごく希に起こる危険があるという程度だそうです。

 

検査が終わると、カテーテルを抜いたあとの傷口を医師が自分の指で押さえて止血してくれます。この間5~10分間ぐらい、結構長いです。

その時医師が「私、最初にお電話した○○です。」と自己紹介。

検査入院の連絡をくれた担当医師でした。

「あっ、先生でしたか。お世話になります。」と私は寝たままご挨拶しました。

 

アンギオ検査は終わった後が大変です。出血したり、血栓ができて脳梗塞になったりしないように6時間の安静を求められます。この間身動きできません。カテーテルを入れた方の足はぐるぐるにテーピングで固定されます。もう片方の足は曲げ伸ばし自由です。

検査室から病室へ戻る時も、看護師さんが16階の私の病室からベットを運んで来てくれました。私はベットごとエレベータで病室へと帰りました。

 

6時間の安静は何といってもトイレを我慢するのが辛い。

別に我慢しなくてよいのですが、立ち上がったりできないので、素敵なフォルムの例のアレのお世話になる必要があって心理的な抵抗が...。

本当は検査の時に注入した造影剤を早く排出するために、水をたくさん飲んだ方が良いと言われるんですけどね。

タブレット端末にダウンロードしてきた映画のビデオを何本も見て時間をつぶしました。

 

夕食の時もまだ動けないので、細切れにされたおかずが串に刺さって出てきました(笑)

(ごはんはおにぎり状になっていますが味はついていません。片方の腕だけで食べられます。)

 

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