静香のおもうこと
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悲しい性

静香はもともと線の細いきれいな顔をした少年が好きだった。だが、抱かれるのを好まなかった。彼を見ているのが、見られているのが好きなのだ。彼の前で反対のタイプの男に触られるのを好んだ。客は自分が静香を喜ばせていると勘違いする。そういう店の男子従業員に休みは少ない。静香の成績はあがった。静香は店の中でNo.3にまでなった。店のオーナーですら静香の片思いを知りながら北を彼女の担当からはずさなくなった。一度はずしたら二日に一回休むようなったからだ。彼女の片思いを知らない人間は店の中にいなかった。静香は幸せの中で生活していた。

静香とは…

そもそも静香とは誰なのか?10年程前一年半で閉店したピンサロのコンパニオンだ。彼女は不思議な女だった。入店はオープン直後、見た目も性格もぱっとしない二十代の女だった。顔は大きく足が太く漫画で書くなら劇画調のいやらしさがあるだろうと思われる容姿の持ち主で、それは本人も自覚していた。薄明るい店のなかでは二十人以上のコンパニオンが全裸に近い状態でサービスをしている。静香もその一人だ。静香は客の席につくと挨拶代わりに唾液の絡まりつくようなキスをする。当然北の目にもとまるだろう。北はその店のスタッフだったから。しかし静香はエム女だったのだ。可愛そうな自分に興奮してしまう。客の男とキスしているのを見られていると思うだけで濡れてしまうのだった。乱暴にいじくりまわされると声まであげてしまう。演技ではなく本当に感じてしまうのだ。こういう環境の中で静香の悲しい恋は始またのだった。

静香より愛をこめて

その昔私が静香だった頃…彼と初めて電車に乗って岐阜城へいった。私の鼓動は高鳴りっぱなしだった。けどその時は長くは続かなかった。岐阜城についてすぐに携帯電話がなり、仕事に戻り、そうして暫くして彼はいなくなってしまった。その時は終わったと思っていた。あれから10年くらいはたっている。けど逢いたいのだ。幸せなのか生きているのかさえ分からないけど逢いたいのだ。我ながらしつこいと思う。心当たりのある方は昔話をしましょう。少しずつあの頃の私をかいていきます。