とても痛い尿路結石、とくに尿管結石にかかった方はどうされるか?

もちろん、病院受診されます。診断がつきます。「尿管結石」

5㎜未満の大きさならば、痛み止め処方で経過観察。5-10㎜までは自然排石が期待できるため、薬物による排石促進です。ここで多くみられる間違いというか、{都市伝説の「ビール」}です。

{ビールを飲んで結石の治療する} これは間違いです。ビールを飲むと尿酸が増加します。尿酸は尿路結石の危険因子のひとつで、尿酸の尿中濃度が高くなると結石を作りやすくなります。この他の危険因子ととして、尿中カルシウム、尿中シュウ酸があります。とにかく、結石にビールはいけません。今日はこれだけ覚えてください。

抑制する因子、すなわち抑制因子もあります。代表的なものは グレープフルーツなどの柑橘類に多く含まれるクエン酸です。そして、マグネシウム この二つが尿路結石の抑制因子として代表的なものです。

危険因子を減らし、抑制因子を増やす これが結石予防における食事療法の基礎的な考え方です。

保存的治療にはまだまだたくさんあります。疼痛管理、排石治療、溶解療法、食事による予防、水分摂取療法などなど

ひとつひとつ、解説していきますので、お楽しみにしてください。

眠くなってきました。ではまた
尿路結石は腎臓にある場合、腎結石。尿管に落ちてくると尿管結石、膀胱では膀胱結石と呼び方が変わります。本質は同じですが、存在する場所により名前が変わるのです。それらをまとめて「尿路結石」と呼びます。

さて、尿路結石はどこで作られるのでしょうか? 答えは「腎臓」です。腎臓の「ネフロン」といわれる単位の中で尿細管という場所で作られることがわかってきました。尿細管で作られた結石は、やがて集合管という「ネフロン」の最下流で大きくなります。そして、本来の尿路である腎杯に出てきます。その腎杯に「腎乳頭」がありますが、ここから結石が外にじわじわ出てきて、腎杯に落ちてくるわけです。腎乳頭から出てくるところを「Randall Plaque」(ランドール プラーク)と呼ぶ結石の始まりみたいな状況になっています。

尿路結石は家族で発生しやすいため、遺伝病と勘違いされることが多いのですが、実は遺伝性の尿路結石症は案外、少なく、① シスチン尿症によるシスチン結石、②原発性高シュウ酸尿症によるシュウ酸結石 などがあるだけです。そして、家族で発生しやすいのは、食事の影響です。すなわち、似たような食生活をしている家族だからこそ、結石を作りやすくするのです。

次回は、どんな食事を摂取すると尿路結石を作るのか、説明したいと思います。


追伸 尿路結石とは関係ない話

ところで、上に書いた「ネフロン」の中に近位尿細管と遠位尿細管とがあります。このうち、近位尿細管が腎細胞癌の発生母地(発生場所)と考えられています。遠位尿細管から集合管にかけて出てくるんはBellini管癌と呼ばれる悪性腫瘍です。