できないと、価値が下がる気がしたあなたへ
できなかったとき。
失敗したとき。
人より遅れていると感じたとき。
胸の奥で、
「ほら、やっぱり」
そんな声がしたことはないだろうか。
できない自分は、
ちゃんと扱われない。
ちゃんと見てもらえない。
だから、できなきゃいけない。
そう思い込むようになったのは、
あなたが弱かったからじゃない。
できないことで、
怒られたことがあった。
呆れられたことがあった。
何度も注意されて、
「また?」と言われたことがあった。
そのたびに、
体の中に小さな緊張が残った。
失敗しないように。
忘れないように。
ちゃんとできるように。
怖かっただけだ。
価値を失うのが。
だから、
できるかどうかを
いつも自分に問い続ける癖がついた。
それは、生き延びるための知恵だった。
責める必要なんて、どこにもない。
でも、ここで一つだけ、
事実を置く。
価値は、できたあとに生まれたわけじゃない。
できなくても、
失敗しても、
忘れてしまっても。
それで「下がった」ものは、
本当はひとつもなかった。
下がったように感じていたのは、
あなたが自分を
そのたびに、少しずつ
下に置いていただけだ。
守るために。
また傷つかないために。
もし今、
「できない自分はダメだ」と
反射的に思ってしまうなら。
それは性格じゃない。
能力でもない。
ただ、昔の緊張が、まだ体に残っているだけ。
もう、続けなくていい。
できない瞬間に、
価値を差し出さなくていい。
ここで、一度だけ
手を開いてみてほしい。
ずっと握りしめていた
「できなきゃならない」という条件を。
手放したら、
何かを失うような気がするかもしれない。
でも実際に起きるのは、
失うことじゃない。
比べる必要がなくなる。
証明する必要がなくなる。
怯えながら生きる必要がなくなる。
その空いた手で、
初めて選べるようになる。
何をするか。
何をしないか。
どこに力を使うか。
できるかどうか、じゃない。
やりたいかどうか。
価値は、
取り戻すものじゃない。
上げるものでもない。
思い出すものだ。
あなたは、
何もできなかったとしても、
もうここにいる。
