ともしび | 温もりのメッセージ

温もりのメッセージ

人と動物との心の繋がりを大切に、主に犬猫の絵を通して、
彼らの心の純粋さ、愛情の深さを伝えていきたい

 

今夜もこの家に明かりが灯った。
ワタシの飼い主一家の団欒が始まる。
美味しそうな夕食の匂いが漂ってくる。
楽しそうな笑い声が聞こえる。
ワタシはそれを窓の外からじっと眺めてる。
いつもの光景、もうずっと前から。

ワタシがこの家にやって来たのは子供の時で、
その頃はワタシも家の中で暮らしていた。
でも成長してからは、この庭の隅に作られた
狭い犬小屋が、ワタシの住処になった。
そして、いつもここで短い鎖に繋がれている。
1日1回のご飯と、お水は器がカラになって
だいぶ経ってから、やっと気づいてもらえる。
お散歩はいつから行ってないか、

もう覚えていない。
名前を呼んでもらえることも、

ほとんど無くなった。

ワタシがこの一家に忘れられた存在に

なってから、随分時間が流れた。
ワタシは年老いた…。
あんまり歩くこともないから、

足腰も弱くなって体力もなくなった。
体もあちこち痛む…。
一日中寝ているしかない生活。
おそらくこの冬を越し、

春を迎えることはできない。
そんな気がしている…。

ワタシは残された時間も、こうして日が暮れて
この家に明かりが灯るのを、ただ見続けるだけ。
そして、昔のようにワタシがこの一家の団欒に
加えてもらえることは、もうないだろう。

家の灯火は明るくて温かい。
でもワタシの命の灯火は、この寒空の下、
冷たく凍りついていくだけ。

もしかしたら、このままこの家の明かりが消え
一家が寝静まる頃、一緒にワタシの命の灯火も
消えるかもしれない。
誰にも気づかれないまま…。


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ネグレクトという長期間に渡る動物虐待。
彼らの心身をどれだけ傷つける行為なのか、
今一度お考えください。
そして、ネグレクトするくらいなら、
最初から動物は飼わないことです。
飼うならば、最後まで責任を持って

飼育してください。