透明な壁 | 温もりのメッセージ

温もりのメッセージ

人と動物との心の繋がりを大切に、主に犬猫の絵を通して、
彼らの心の純粋さ、愛情の深さを伝えていきたい


ボクは今、透明な壁の中で暮らしてる。

ここから見える景色は、何だかいろんな
物がいっぱい並んで、たくさんの人が出
入りしてて落ちつかない。
時々、この透明な壁の向こうから、ボク
の方を覗き込んでくる人がいるけれど、
みんな少し考えてから首を横に振って去
っていく。

ボクがこの透明な壁の中で暮らすように
なってから、どれくらい経っただろう。

元々いたところも狭い檻の中だった。
お母さんと兄弟と一緒だったけど、ある
日ボクと兄弟たちは、そこから出されて、
小さな箱の中に入れられた。
そしてその箱がいっぱい積まれた乗り物
に乗せられたんだ。
暗くて狭くて息苦しくて、怖くてずっと
震えていた。
みんなで声を出して励まし合ったけど、
そのうち声が聞こえなくなった子もいた
よ。
そして、やっと箱から出られたところが
ここだったんだ。

それからずっと、この透明な壁の中で暮
らしてる。
ここも最近はちょっと窮屈になってきた。
あんまり大きくならないように、ご飯も
少ししかもらえない。
それでもボクの体は、ここに来た時より
も随分大きくなったんだよ。

体が大きくなるにつれて、ここの人たち
も、あんまりボクには構わなくなってき
た。場所も隅の方に変えられたんだ。

ボクはいつまで、この透明な壁の中で暮
らすんだろう・・・。
ここから出られる時はあるんだろうか。

昨日、ボクより後に来た小さな子が、こ
こを出て行ったよ。
その子の幸せを祈りながら、次こそはボ
クの番だって、そう思ってはみるけれど、
その期待は何度も裏切られた。

ボクはこれからどうなるんだろう。

ここから出たいよ!
幸せになりたいよ!

そんなボクの心の叫びは、誰の耳にも届
かない・・・。

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ペットショップでの生体展示販売には断固
反対します。
どれほどの犠牲がそこにあるのか、それを
知ることが、今、私たちがしなければなら
ないことなのです。



透明な壁



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