2023年8月に膵臓癌ステージ4診断を受けました。膵臓癌ステージ4の告知は死の宣告であり命の終焉です。膵臓癌ステージ4と告知を受けた患者が主治医に聞くことはただ一つ、後どのくらい生きられるのか?です。当然ながら僕も主治医に同じことを聞きました。しかし主治医は「わからない。」と答えました。詳しく言うと「抗がん剤を試さないことにはわからない。」ということでした。僕としては「抗がん剤など効くはずも無い。気休めだ。」と主治医に対して不信感を抱いたのを今でも覚えています。その頃の僕は何もかもが嫌になり偏屈な人間になってしまっていたのです。抗がん剤は危険だという気持ちから主治医に抗がん剤を投与しない旨を伝えたのですが、そのことを妻に伝えると激怒され子ども達にも叱られてしまった。「生きて欲しい。」妻と子ども達からそのような言葉を投げかけられると思っていなかった僕は涙が止まらずあれだけ拒否をしていた抗がん剤を打つことにした。そのことが僕の運命を大きく変えることになるのです。2023年9月から投与をはじめて2024年5月までの9ヶ月間で28回の抗がん剤を投与をしました。その結果、転移していた動脈と静脈血管の癌細胞が半分以下になり膵臓の癌細胞も半分ほどになった。これによって外科手術で切ることができるようになったのです。膵臓癌は見つかった時には時すでに遅し。手術を受けられる患者は全体の20%程度だと聞きます。僕も切れない患者でした。しかし、抗がん剤の効果によって切れるようになったのです。ここ確率は、今の病院では300人に1人とのことでした。決して0%では無いのです。ステージ4と診断を受けて人生を諦めて抗がん剤の投与を拒否した男が家族の温かな想いによって抗がん剤を投与して外科手術を受けることができるようになりました。ご存知の通り癌は外科手術でしか治らないのです。抗がん剤は進化をしています。私の経験上、後遺症も少なく効果もあります。昔のイメージを捨ててチャレンジしてください。ただ、術後の痛みや息苦しさ、下痢など手術をすることが正解だとは言えません。正直に言うと後悔もあります。抗がん剤の投与、手術をせずに死が訪れるその日までそれなりに元気に生きて人生を全うすることも一つの正解かもしれません。しかし、45歳の僕はもう少し家族と一緒に生きたいと願ったのです。生きたいと願う皆様へ共に闘いましょう!