高橋先生と知り合ってから、これまでよりずっと沢山東北のことを知った。

だけど同時に、どれだけ東北のことを知らなかったのか知った。


初めて聞く被災地の名前をいっぱい知った。

松島と仙台ばかりが私の中の東北だったんだとわかった。



こんなに沢山の市町村で被害が出たなんて信じられなかった。



初めて知った土地の広さだけ、私の不安と恐怖も広がった。







岩手県野田村沿岸部。


この写真が送られてきたときの寂しさったらなかった。



ぱっと見ただけではわからない。


この防波堤が10mの城壁級だなんて。



そして誰が、この城壁が海の水なんかに破壊されるなんて想像できただろう。





一瞬で伝わってくる寒さと寂しさ、静けさ。


暖かさがほしくなって、かつての野田村を探した。

役場のHPには、おいしそうな葡萄や楽しそうなお祭り、名産だというお塩の写真が載っていた。



写真の撮られた場所をGoogleMAPで探してみた。

そこに何も見つけることが出来なくて、
心に冷たい風が吹いた気がした。

GoogleMAPは既に震災後の上空写真に更新されていた。

私は、何か取り返しのつかないことをしてしまったような気持ちになった。



高橋先生の現地からのお話だと、本当にみんな津波に警戒していたことがわかる。

いたるところに津波注意の看板。非難ルートの表示。



自然と共存し、自然の脅威と闘った東北を、

そしてまた立ち上がる東北を、

高橋先生に撮り続けてほしいと思った。