何気ない言葉が私を傷つける。
それはいつものことで、ゲーム好きの発達障がいを持つ長男と次女が長男のゲーム機を順番に使って遊んでいた。
次女がお風呂に入ってる間に長男が使い、お風呂から出た次女に渡して自室へ戻った。
ゲームを始めてから次女がバッテリーが少ないことに気づいた。
そこで文句が始まった……。
「なんで充電しないかなぁ。26才にもなってこれから使う人がいるってわかってるのに、バッテリー充電してないって、どんだけ気遣い出来ないんたよ」
ACコードは私が持ってきたが、次女の長男に対する不満が止まらないどころかどんどんエスカレートしていく…………
たまらずに声を荒げてしまった。
「お兄ちゃんの努力も知らないくせに偉そうなことをいうんじゃないお兄ちゃんが今まで努力したから普通に働いて暮らせてるんだよ
お兄ちゃんがなんで小学生から高校生まで遠い療育機関に通ってたのかわからないの
ママだって普通に産んであげたかった……あんたのその言葉はママを責めてるんだよ
」
私は悔しいのもあり、悲しいのもあり、長男長女にたいして申し訳ない気持ち、あんなことを言うわがままな子に次女を育ててしまった自分への怒りで涙が止まらなくなってしまった。
長男は発達障がいと診断されてはいるものの、知的障がいもなく、不得手なコミュニケーションもなんとか人と取ろうと日々努力している。
その結果、就学前のみ療育を受けたが、小学校も中学校もさらには高校も公立で普通級、
高校までは公立の教育相談センターに月1で通って、高校3年からはアルバイトもし、専門学校に進学、一般枠で就職もし、普通に働いている。
一番次女を可愛がり、弟や妹よりも低い年収の中、自分で携帯電話代に自動車に自動車保険、我が家に食費も入れて、その残ったお金で自分の好きなゲームを買ったり、パソコンを買ったり。
次女にだってゲームを買ってあげたりしてるのだ………。
自分が人より出来ないことをちゃんと理解して努力している長男……。
同じ発達障がいを持つ長女も努力し、働いているが、二人とも次女のように人への不満を私に話したことがない。
二人ともとても優しいのだ。
もし、神様がいて私の命と引き換えに二人を次女の言うように「気遣いのできる普通の人」にしてくれるというのなら喜んで差し出すだろう。
例え、悪魔の提案でも。
きっと同じようにハンディキャップを持つお子さんを持つお母さんのほとんどは私と同じ気持ちだろう。
長男が発達障がいと診断されたとき、精神科の医師から
「発達障がいはお母さんのせいでも、ましてや長男のせいでもないですよ。」
と言われたが、長男長女に何かある度に自分を責めてしまう。
何かある度に深く深く心に傷が入り、長男長女に謝りたくなる。
同じ兄妹なのに、なぜ「普通」に産んであげれなかったのか……。
兄姉の尊厳を尊重して育てたつもりなのになぜ次女はあんな自分勝手な子に育ててしまったのか。
子育てに正解はないと言うけれど
悔いても悔いても悔やみ切れないことばかり。
やり直したくてもやり直せない。
謝っても謝りきれない。