私は、10数年位前(2000年)にプロの舞台のパントマイム役者でした。映画「天井桟敷の人々」のバチスト(ピエロ)をテレビで偶然観て、これは自分がやらなきゃならないと思い、エチェンヌ・ドクルー先生と同じ訓練を受けて、駒沢大学前にある日本マイム研究所の門を叩いたのです。佐々木先生とジャン・ルイ・バローとマルセル・マルソーは兄弟弟子になります。入って4カ月ほどでさほど重要でない脇役を演じました。もちろんファンも取りまきもいませんでした。肩身が狭くてステージに戻って一人で鏡を拭いていたんです。その時一人の年輩の女性が、最初知らなかったのですが、ママコ・ザ・マイムのヨネヤマママコ先生がいらっしゃってまして、「あなた舞台映えしてたわ。歌舞伎役者みたいだったわよ」とほめられたのが今も印象に嬉しく残っています。それから何ヵ月か経って次の舞台に立った時にはすでに口コミでファンができていました。演技を絶賛されました。恐いほど迫真に迫ってたとかなりきってるとか。面白いことに同じ舞台でも同じことを演じているのに、時間帯かお客様の層で、ウケる時とウケないはずのとこでウケてたり、笑いや拍手が多い時とシーンと真剣に魅入っている時があるということです。あれは不思議でした。今は、もう何年間もやっていないので動けません。少し前に山本光 洋さんの指導を受けてはみたのですが、仕事と両立ができなかったり気持ち的にあきらめてしまいました。ヨネヤマママコさんがおっしゃっていました。「マイムをやったことがあるとマイムの虫がうずくの。でもマイムでは喰えないわよ」と。