父は、今ちょっと投げやりになっている。
どうせ死ぬんなら早く死にたいって。
たんすにベルトを巻きつけて首をつろうとしたり、
物を食べずに餓死しようとしたり、
父は今、苦しんでいる。
だけど、自分で命を絶つことだけは絶対にだめ。
お迎えが来るその日まで、生きなきゃいけない。
苦しい。 しんどい。 つらい。
けど、父へのこれが最期の宿題なんだ。
父のこと、弱いとかかっこ悪いなんて思わないよ。
人間なんて、そんなに強くない。
飯島夏樹さんだって、一時期はうつ病になって、死ぬことばかり考えていたんだもん。
死を受け入れるなんて、そんなに容易なことではないんだ。
私にとっても宿題なんだ。
立ち向かわなくたっていい。
だけど逃げちゃだめ。
父の足のマッサージをした。
努めてしゃべらず、無心にマッサージをした。
こういうとき、言葉はとっても無力だなって思う。
体に触らせてくれるだけでも、まだよくなったかな。
さっき 『ありがとう』 っていってくれた。
また一つ乗り越えたかな。
よし。そろそろ寝ようかな。