2017年、今年も様々な分野の音楽を、数多く耳にしました。
自らの意思で聴き入った楽曲、外出時に、また、何気なくテレビをつけていて、耳に入ってきた音楽。
そんな、数えきれない音楽の中で、
私の心に残っているのは、
今年度、NHK 学校音楽コンクール全国大会、
高校の部で、金賞を受賞した、大妻中野高校の
課題曲「君が君に歌う歌」の演奏でした。
同校(女声合唱)は、明るく透明感のある清らかな発声をベースに、歌詞の意図するところを、
深く明瞭で美しい日本語の発音と、曲の隅々にまで神経を行き渡らせた素晴らしい歌唱で披露してくれました。
その演奏は、決して押し付けがましくなく、静かな感動が、ふつふつとわき上がってくる、そんな想いに駆られるひとときを味わわせてくれました。
今の我が国の音楽業界は、売らんが為、斬新で刺激的な手法を駆使して、ぐいぐいと人の心の隙間に入り込んでくる。それが日常化し、それに麻痺してきている私達ですが、
同校のピアノ伴奏のみの女声合唱は、今なお、
日本の各地に残る美しい原風景を連想させる、
私にとって、今年、もっとも心に残った歌声となりました。