歩けない。
20mくらい歩くと特に右足が太もも外側から苦しくなりやがて膝より下の外側が苦しい。
片足だけならまだ我慢出来るのでもう少し歩こうとすると今度は右足の太ももにくる。そうすると進む事が困難になるので立ち止まり足をぶらぶらと振ったりする。苦しさが消える。また歩き始める。
自宅から普通なら7分で行けていた最寄りの駅まで約25分くらいかかるようになった。

今お世話になっている先生も足に関しては一度専門の科で診てもらうようにとの事だった。
倒れて入院する前からずっと足はそんな状態だったので線維筋痛症の症状の1つだと思っていたのだが足は違う何かがあるのかもしれない。
早速自宅近くの総合病院に行く事にした。
「心臓血管外科ですね」
心臓?血管?
医師の診察の前に足の血圧を計るような検査と心電図、血液検査を先に済ませ何分も待つ。「予約して来てる意味ないな、大きい病院はだから嫌なんだよな」
やっと呼ばれ診察室の中に入る。40代くらいの医師だ。
「心臓も異常はないし右足の血流が少し悪いけど、20m歩いて苦しくなるなんて程ではないんだよな。服用している薬の手帳を見たけど何の病気?」
わたしは問診票に書いて出したはずなんだけどなと思いながら

「うつと線維筋痛症です」

「線維筋痛症ねー、、、。あれってあやしいわからないやつだからなー。とりあえず次回はMRIの検査を受けてもらって結果が出たら後日来てもらうようになるね。それまで血液の結果も出ているだろうから。」

なんだーーー!こいつは!あやしいってなんだ!わからないやつってなんだ!
もう無理無理!こういう医師がいるからわたしのような病が理解されなくなるんだ!
とにかくムカつく!頭にくると娘達が常日頃使っている言葉になる。ムカつく!ムカつく!ムカつく!マジでムカつく!

何日か後にMRIを予約していくようにと言われるがわたしはなるべく冷静に静かな声で




「もう結構です。今日の検査の結果と血液検査の結果だけ後日もらいに来ます」とだけ答えた。

帰りは娘が迎えに来てくれた。
そのままホットヨガに行く。
ヨガの受け付けの女の子が
「最近は足の具合はどうですか?今日もムリせずリラックスしていって下さいね♪」
と元気に水素水を渡してくれた。


こっちの方がずっと血流がよくなるんだよな。
ヨガの最中にとなりで娘が
「ところで病院はどうだったの?」と汗だくで聞いてきた。


「もう、あそこの病院には行かない」

「またぁ?ほんとにわがままな人だねー」

なんとでも言うがいい。
ヨガの床からの熱に心地よさを感じ、今はそれだけに没頭しようとした。