待ちに待った心療内科の予約の日がきた。と、同時にこの脳神経外科の退院だ。
朝の回診にも無礼をはたらいた医師は来なかった。最後にお礼も言わずにこのまま帰るのは何となく気持ちがすっきりしない。
支度をそそくさと済ませナースステーションあたりまで行ってみるがいない。
娘達が迎えにくる前に会計を済ませておこう!仕方なく一階のフロアに向かうと、あの医師がいた。こちらにも気がついたようだ。
何か言わなければ!
お礼の言葉を。
医師はにこりとした。
わたしは深く深く頭を下げる事しか出来なかった。



さぁこのまま心療内科に直行だ。
これまで3ヶ月近く苦しんできたこの思いを解ってもらえる日が遂に来たんだ!
このおかしな病気を肩身の狭い思いをせずに診てもらえるんだ。
何故か心が弾み、勢いを増したへんてこな気持ちで向かう。

7月に入ったばかりのエアコンがきいた車中で妙に汗ばみ、そして悪寒がした。早く行かなければ。

急いだ。
後に、この期待がぼろぼろにに打ち砕かれる事になる事も知らずに。