As Likin' It! -2ページ目

「どこでもドア」が欲しい

一人暮らしがしたい。
もう嫌だ。
1時間半かかる通勤時間も、満員電車も、まだ外は暗いのに起きなきゃいけないのも、全てが嫌だ。
幸い、資金は溜まっている。
色々と落ち着いたら真剣に考えよう。(・・・いったい何時になるんだ?)

で、今日の一冊。
クリストファー・プリースト, 古沢 嘉通
〈プラチナファンタジイ〉 奇術師
現代イギリスを代表するSF・幻想作家、クリストファー・プリーストの代表作。
代表作とはいっても、プリーストはかなりの寡作で、今現在書店で手に入るのは「逆転世界」、「魔法」、そしてこの「奇術師」の3作だけである。
デビューが1966年だから、ちょうど40年のキャリアを誇るにもかかわらず、である。
僕も上記の3作しか読んでいないが、どれもが傑作。
作家というのは、数ではなく質で評価される。

さて、本書。
ストーリーは、2人の天才奇術師の確執を軸に語られる。
瞬間移動-2人は同じ奇術を異なるトリックで実現するが・・・。
2人の使ったトリックは、それぞれ「悲劇」を招くことになる。

瞬間移動のトリック自体はさほど驚くものではない。
十分すぎるほどヒントは提供されている。
しかし、本作の魅力はトリックではない。
2人の奇術師の強烈なエゴ、そこから生まれる激しい衝突。
これこそが本作の醍醐味である。

本作の醍醐味を増しているのが、構成であり、語りの妙であろう。
本作には4人の語り部が存在する。
4人の異なる視点によって語られる1つの物語。
誰もが事実を語りながら、どれ1つとして真実ではない。

真実とは球体ではないのだ。
故に立ち位置が変われば、その姿も当然変わって見えるのである。

前進

昨夜、真夜中にふと目が覚めたらDVDレコが動いてた。
予約した覚えはないのに・・・。
ちょっとした心霊現象を感じましたが、冷静に考えると「おまかせ録画」という機能らしい。
うん、正直びっくりした。
今まで使ってたVHSじゃ考えられない。
さっそく職場で自慢。

で、今日の一枚。
東京事変
大人(アダルト) (初回限定盤DVD付)
椎名林檎のバンド、東京事変の2nd。
まあ、椎名林檎も東京事変も僕が説明するまでもないでしょう。

椎名林檎と言えばいまだに僕の中では「無罪モラトリアム」だったりする。
「歌舞伎町の女王」でちょっと注目して、「ここでキスして。」で腰を抜かしたあの頃。
あー、若かったなあ・・・。
椎名林檎の声を聞くと、10代の頃が思い出されます。セピア色だけど。

で、東京事変です。
正直、椎名林檎は1stが全てだった。
特に3rdはどうなのよ?って感じだった。
あういう実験的な作品は賛否両論だと思うけど、僕が椎名林檎に求めていたものではなかった。
で、東京事変です。
バンドサウンドを中心とした楽曲作り。
これですよ、僕が聞きたかったのは。
今作はソロ末期のサウンドの影響も強いんですけど、それが嫌味じゃない。
おかげで楽しく聞けるアレンジになっています。
そうかんがえると僕があまり好きじゃないソロ末期というのはすごく重要なのかもしれない。

椎名林檎の声ってのは、ある意味すごくノスタルジックだったりするんですけど、今作を聞いてもそういう気分にはならない。
「今」が詰まってる。

日曜の午後

金曜に購入したDVDレコ、大活躍です。
昨夜のFAカップ、さっそく録画。
家にいるんだから生で観ればいいことですが、録画。
試合はつまらなかった。
でも、レコーダーのハイテクぶりに感動。

で、今日の一枚。
Mojave 3
Excuses for Travellers
元SlowdiveのNeilとRachelが結成したバンド。
Slowdiveといえば90年代初頭にシーンを席巻したシューゲイザーの雄。
Mojave 3では、Slowdiveとは打って変わったアコースティックなサウンドを聞かせてくれます。
本作はMojave 3の最高傑作と呼ぶにふさわしく、名曲ぞろいです。
中でも#1、#4、#6、#8は秀逸。

Storkesに始まるロック・リヴァイヴァル・ムーブメント。
Razorlight、Arctic Monkeysなど確かにイキのいい若手が続々出ています。
そんな現在のシーンでMojave 3が注目されることはないでしょう。
おそらく大半の人にとってNeilとRachelは、いまだにSlowdiveであり、過去の存在でしょう。
それでも彼らの歌はど真ん中です。
かつてはムーブメントの担い手であった彼らが、ムーブメントから離れて作ったこのアルバム、10年、20年経っても僕のヘビーローテーションであることは疑いようがありません。
昨年にはNeilとRachelがそれぞれソロアルバムを出しましたが、どんな形であろうと彼らにはずっと音楽を続けて欲しい。

今日のような晴れた日曜の午後にはこのアルバムを聞いてのんびり過ごすのが最高です。

冬眠したい

眠い。
最近は週末になるとひたすら寝てる。
ひょっとしたら病気なんじゃなかろうか?
一般的に適切な睡眠時間は7~8時間と言われておりますが、僕には当てはまらない。
どう見ても10時間は必要だ。

で、今日の一冊。
スティーヴン ミルハウザー, Steven Millhauser, 柴田 元幸
マーティン・ドレスラーの夢
一人の男の壮大かつ緻密な夢。
ミルハウザーの手にかかれば、どんな突拍子もない夢も現実になってしまう。

主人公マーティン・ドレスラーのホテルに対する執着は尋常ではない。
作中、主人公を取り巻く人々も、当初はマーティンを慕い、その力になろうとするが、その内にマーティンの元を去ることになる。
マーティンの作り出すホテルも同様で、初めこそ一般大衆の賛辞を浴びるのだが・・・。

「アウグスト・エッシャンブルク」で人形師を、「J・フランクリン・ペインの小さな王国」で漫画家を描いたミルハウザー。
本作はミルハウザーの集大成とも言うべき作品。
3人の芸術家は、打ち込む対象こそ違えどその生き様も行く末も全く同じである。
芸術家の孤独、それこそがミルハウザーのテーマであることに疑いはない。
最後には現実の前に敗れてしまうのだが、その姿こそが美しい。

要領がよくて、ビジネスに迎合する芸術家の話なんて読みたくもない。
僕が読みたいのは、流行だとか現実だとか、そんなものとは無関係に生きる人の姿だ。
ミルハウザーはそれをかなえてくれる数少ない作家だ。

ちなみに本作はピューリッツァ賞を受賞しているが、そんなものはこの作品の価値にはまったく関係ない。

私的IT革命

東芝
TOSHIBA W録 地上・BS・110度CSデジタルチューナー搭載ハイビジョンレコーダー 400GB RD-XD91
DVDレコーダーを購入。
これで我が家にも最先端技術が導入されましたよ。
なんせウチなんて、BSは入ってないし、テレビなんて10年前のだし。
電気屋さんに行く度にカルチャーショックを受けます。

さっそく開梱、取り付けを開始。
まず説明書に辟易する。
何とかモードやら画質やら、違いがわかりません。
地上波デジタルとかホント訳わからん。

どうやら土日はコイツをいじるので潰れそうです。

不幸

不幸です。とても不幸です。
といっても僕ではなく、知人のことです。
詳しくは書けませんが、この3、4ヶ月で仕事上でもプライベートでも大事件の連続。
「不幸なことは重なる」と言われますが、あそこまで重なると何かの超常現象としか思えない。
とりあえず、彼にはがんばっていただきたい。
今が踏ん張りどころです。

で、今日の一本。
パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
黒猫白猫
ユーゴが生んだ天才映画監督、エミール・クストリッツァ。
「天才」と銘打たれる映画監督はあまりにも多く、おまけにその大半は「天才」ではない。
「天才」だの、「驚異の新人」だのといった冠ほど当てにならない言葉もないでしょう。
でも、心の底からこの人は天才だと思う。

クストリッツァの作品では、「アンダーグラウンド」が有名です。
「アンダーグラウンド」では、政治的な内容ゆえに政治的な批判を浴び、クストリッツァは引退宣言。
その後引退は撤回され、復活作となったのが本作。
それまでの陰影の濃い作風と打って変わって、本作では最高にハッピーな物語を見せてくれます。

彼の特徴と言えば、登場人物のテンションの高さ、そのテンションの象徴である乱痴気騒ぎでしょう。
「アリゾナ・ドリーム」や「アンダーグラウンド」では、その乱痴気騒ぎは負のイメージを背負ったものでした。
しかし、本作のそれは全く違います。
まぶしい太陽の下で画面に収まりきらないキャスト陣が「これでもか!」と言わんばかりに踊りまくる。
それをきっかけに、絡み合った糸がほどけていく様はあまりにも美しい。
登場人物はもちろん、観客も幸福にしてくれる映画はそうそうあるものではありません。

ちなみに昨年夏に公開された最新作、「ライフイズミラクル」のDVDが3月に(ようやく!)発売されます。
こちらも非常に素晴らしいのでぜひぜひ。

胃が痛い

最近、ストレスが溜まっています。
まあ、原因の99%は仕事なんですが。
自分がコントロールできないことにエネルギーを費やす日々です。
それが勤め人の宿命だとわかってます、ええ、わかってますとも。
わかっちゃいるんだけど、身体は正直です。

で、今日の一枚。
ブロークン・ソーシャル・シーン
BROKEN SOCIAL SCENE
出会いのきっかけはジャケ買。
で、とりあえず視聴。
見事にやられました。

カナダ出身のBroken Social Scene、ポストロック出身のメンバーが組んだユニットらしい。
(詳しい成り立ちは国内版のライナーをどうぞ。)
ポストロック?なんじゃそりゃ?って感じなんですが、聴いてみるとこれが良いんです。
このアルバムは彼らの4thで、過去の3作に比べると「歌」に対する意識がずいぶん強く、音も派手になってます。
良くも悪くも一般受けしやすいんじゃないでしょうか。
個人的には、#7と#9が最高。

前述の通り、最近ストレスが溜まり気味の僕は通勤電車でコレを聞いてます。
お手軽だけど最高の気分転換です。

とりあえず・・・

今年の目標の一つは「Blogをはじめる」でした。
実は去年の夏ぐらいから興味はあったのは内緒です。
で、半年経ってやっとはじめました。
ついでに今年の目標も一つクリアしました。

で、今日の一冊。
 
レイ・ブラッドベリ, 大西 尹明
ウは宇宙船のウ

ブラッドベリは日本でも十分有名ですから、改めて紹介するのも恥ずかしい気がします・・・。
もちろん、僕も大好きな作家の一人です。
ダンセイニやポオといった幻想作家の系譜に連なりながら、彼らには無い叙情性がブラッドベリの特徴でしょうか。
本書は短編集ですが、そこは短編の名手として知られるブラッドベリ、どの作品も素晴らしいです。
特に表題作は必読。
最高の青春小説でしょう。