変なふうに書かないでね。 | アスペル君の父として

変なふうに書かないでね。

「アスペルガー症候群の子供たちを集めた『地上の楽園』

 アスピー・エデン学園から、一人の少女が消えた……」

(11.27朝日新聞掲載 光文社KAPPA NOVELS 広告より)


 というミステリー小説のあらすじが載っていました。


 書名は「エデンの命題」(島田荘司著)。

 島田荘司の本は何冊か読んでいますが、本格推理にこだわった作家さんのようで、それなりに著書には読み応えがあります。


 この広告が妙に気になっています。

 というのは、ひとつには、私も将来、アスペルガーの子供たちを集めた学校を作りたいな、という希望を漠然と持っているからです。

 理由は……皆さんなら分かりますよね。アスペル君たちのきちんとした行き場が、あまりにもないからです。ないんだったら作ればいい。何億掛かってどれほどの人材が必要か、考えただけでも気が遠くなりますが。

 でも、周りに気を遣わなくていい環境というのは、本人にとってどれほど快適か分かりません。もちろん親にとっても。

 しかし個人差があるでしょうから、かえってトラブルが起きかねないとも限りませんが、それでももしそんな教育環境を実現できればいいなと思っています。


 そんな思いがあるものですから、この本には非常に惹かれています。しかし、まだ読んでいません。なんだか、怖いような気がするんです。


 あらすじを読んだ限りでは、どうもエデンの園に集うアスペの子たちが、ちゃんと描かれているかどうか心配で。

 旧約聖書の謎を絡めたミステリーらしいのですが、殺人事件が起こるわ、選民思想が出てくるわで、どうもアスペの子たちをそっとしといてくれなさそうな感じです。

 ちゃんとアスペルガーを正確に理解してくれてるか。描き方に誇張はないか……同じもの書きとして、とても気になります。


 といっても、こればっかりは実際に読んでみないとね。


 お願いだから、変なふうに書いてませんように。

島田 荘司
エデンの命題 The Proposition of Eden