実は、薄毛に悩む友人に、今回ご紹介するケアのことを説明したら、なんでそんなんで効くんだ?と疑問を持たれたので、それを説明するには、毛周期の話から、男性ホルモンや酵素、受容体など、さまざまな薄毛にまつわる話を理解させる必要があり(その友人は、男性ホルモン補充療法の副作用で薄毛が生じたと言っていたので)、LINEで説明していたら腱鞘炎になりそうだったので、アメブロ書くから読んで、と言って切ったのがきっかけでした(そこから3か月以上経ってるけど・・・。友よすまぬ)、
薄毛のケアには、やはり育毛剤や発毛剤が有効ですが、それ以外では頭皮マッサージも日々の生活に取り入れて損はありません。ただ、もっと簡単にできるやり方があり、その話をさらっと書くつもりで、こんなに長くなってしまいました。いつもながら、お付き合いくださる皆様には、申し訳ないというか、よくお付き合いくださるなと感心するやら。
そんなこんなで、今回が本命の、裏技その2です。
「冷水・温水ケア」
なんのこっちゃとお思いでしょうね。私も、このタイトル2分くらい悩みました。コピー書き能力の無さを露呈してしまいます。
名前は私のオリジナル(今回の記事を書くにあたってひねり出した)ですが、実はこのケアは30年以上前に発表され、確か簡易的な臨床試験なども行われ効果を確認されていたはず。某大手頭髪関連サービス系の会社(すみません、微妙な言い回しで)が、効果ありとして発表していたものですが、拍子抜けするほどシンプルなわりに、現在の育毛知識をもとに考えると、なるほどという点が多いものです(そのために、ここまでの長い長い説明があります)。
前置き長いですね。すみません。実は、ものすごい簡単なケアなのです。
まず、温水と冷水を用意します。
一般家庭だと、冷水はシャワーで、温水はお風呂のお湯で十分。お湯といっても、リラックスして浸かれる程度のお湯の温度がベスト。熱すぎるのは、後述しますがかえって逆効果なので気を付けてください。洗髪後でも前でも大丈夫ですが、おすすめは洗髪後。できれば、コンディショナーなどは、後回しにしたほうがいいです。シャワーの温度の切り替えでも対応できます(私はこっち派)。
で、肝心のケアですが、まず冷水を頭にかけます。身体にかかると寒いのと効果が薄れるので、気を付けてください。頭皮を十分に冷やすことが肝心ですが、表面だけ冷えれば十分なので、修行僧みたいに頑張る必要はありません。
頭皮が冷えたら、次に温水をかけます。頭皮がホカホカするくらい。ほっと気持ちが緩む感じを実感してください。このリラックス感も重要です。
ケアの手順は以上で終わり。できれば上記を2~3回繰り返すのが良いのですが、一回でもまあまあ効果はあるようです。すすぎをしつこくする感じなので、髪が乾燥する場合がありますので、コンディショナーなど、アフターケアをお勧めします。もちろん、コンディショナーやヘアパックをきちんと洗い流すのもお忘れなく。
さて、ここからが解説です。
ここまで長い長い前振りにお付き合いいただいた方には、なんだこの気の抜けた「裏技」は!?と思っていらっしゃる方も多いかもしれません。実際、この話をいろんな人にすると、そんなんで何が起こるの?と呆れられます(そして、その説明は非常にめんどくさい)。ですが、この方法は非常に理にかなっています。
実際に行われているのは、血行促進ケアです。
頭皮を冷やすことで、血流が悪くなると、人間の身体は頭部に血流を送る必要にかられて血圧が部分的に上がります。身体は常に一定量以上の酸素を必要としていますので、血流が悪くなる(この場合は冷やされて血管が収縮し、細くなる)と酸素が足りなくなるため、少ない経路に多くの血を流すために血圧を上げるのです。そこに、適温のお湯で血管が緩むと、圧力の高まった血が一気に流れますので、頭皮に酸素をはじめとした血流を通じて届けられる栄養素が多く行きわたることになります。
非常にシンプルなメカニズムの、この冷水温水ケアですが、実は(たぶん偶然ですが)非常に良くできている点が多くあります。
まず、血行促進効果は言うまでもなく、髪を育てるには必須のケア。これをやや物理的にやってしまうという点が効果を期待させます。しかも、頭皮をもんだり叩いたりしない分、弱った毛母(ということは無いのですが、髪が薄くなってくると、必要以上に頭皮を触ることにデリケートになるのが人の心情ですよね)に触ることが無いので、安心して実行できます。半ば物理的に血行を促進させているので、おそらく育毛ローションなどより血行促進効果は高いです。
温水、冷水の刺激や、血流が急に良くなる(温水を当てることで)といった変化は、毛母細胞へは刺激になります。これは、休眠期に入ったまま起きてこなくなった毛を目覚めさせる効果があります。また、温水をかけて頭皮を温めるケアをすると、毛穴の中の汚れを落とす効果もあり、これも育毛を阻害する原因の一つである頭皮皮脂の除去に役立ちます。
注意点としては、冷水・温水の温度。あまり極端にしないことがポイントです。特にお湯の方は、温度が高すぎるとかえって皮膚が収縮してしまい、血行促進効果が十分に発揮できない可能性があります。また、高温すぎるお湯は頭皮を必要以上に乾燥させ、これが余分な皮脂の分泌を招く場合があります。冷水で緊張させた頭皮をリラックスさせるのが目的なので、緩む温度を心がけましょう。
この手法は、私の記憶では90年代の最初のころに紹介され、血行促進の部分だけ説明されて推奨されていたのですが、それ以降、あまり見たことがありません。まあ、あまりにもシンプルなケアなので、商売にならんと思われたのかなとも思うのですが、実際のところはどうなのでしょう。良いケアだと思うのですけれど。
ということで、長い長い薄毛ケアの話もこれで終了です。
最後の、このケアのことを書きたくて始めたのに、こんなに長く、ややこしくなってしまいました(←通常運転ともいう)。薄毛は男性にも問題ですが、女性にとっても非常に大きな悩みの1つ。気になっている方には、ケアを始める前に知っておいてほしいなと思うことをまとめています。
何かのお役に立てれば、うれしいです。
とはいえ、頭皮マッサージは髪の毛の質を高めるためにもやって損は無いですね。