3週間前に突然家を出た。
「家」と言うのは文字通り、住んでいる家の
事だが、私はそこで水商売を共に営むベトナ
ム人の彼と暮らしていた。
「家」と言えばもう一つ、私には7歳の息子
がその父親と暮らす家があり、事ある毎に足
を運んでは食事の用意をしたり一緒にお風呂
に入っていたが、 生活の足場は全て彼との
「家」にあった。生活をする、と言う事は、
実に不思議なものである。
ベトナムの彼は、エネルギーに溢れ努力家で
勤勉な男だったが、度重なる女癖の悪さや乱
暴な素行に加えて、最近では経営状況の悪化
に伴い、ますます関係は冷え切っていた。
そんな理由で、いつ、どんなタイミングで家
を飛び出すか機会を伺っていたのだ。
しかしタイミングは思っていたより早く訪れ
た。給料のトラブルで男性スタッフ2人を容赦無く追い出した事で、私がとばっちりを受
けて、怒り狂う男性スタッフから脅迫を受け
詰まる所、どっちの味方なのか、選択を迫
られたのだ。
私は意を決して、その日のうちに家を飛び出
した。
