宝塚に関しては予習好きな私だけれど、今回はほとんど予習をしなかった。(前もって買ったプログラムで咲城けいさんの出番を確認するぐらい。)
でも、しっとりと楽しめた。
時代背景としては大きな変動期で、登場人物達にもトラブルもあり、葛藤もあり、なんだけれど、淡々とした展開だと感じた。
七海ひろきさんに泣かされ、夏樹れいさんに泣かされた。じんわりと涙が滲んできた
壱城あずささんと天寿光希さんの色の違う渋さに惚れ惚れした。
そして咲城さんに、ニマニマした。
この後、部分的に物語の展開に触れるところがあります。
かいちゃんのスーツ姿 めっちゃ綺麗。そして泣かされる。
七海さんのバシッとしたスーツ姿(三揃い)を、私は初めて観た。
肩から背中、とにかく綺麗。
こだわりを感じる背中だった。
UFAの映画プロデューサーのカウフマン。
忍耐力と行動力があって、ムケーシュとは違って温かさが感じるプロデューサー。
テオ(紅ゆずるさん)たちクリエイターたちの理解者で、強く映画を愛しているって感じた。
それだけに会社の重役たちの説得や社長への進言とか、理想(クリエーター寄り)と、現実(経営者寄り)の両方を理解しながら、それでもより良い映画を作りたいって思っている、立場的には一番辛い人だろうなとも思った。
完成したテオの処女作『忘れじの恋』を観終わった時、七海さんの目は潤んでいるようにキラキラしていた。
そして物語のラストの山場、ナチスが撮影所に乗り込んできたところでは、親衛隊に抵抗し殴られ倒れ込んだあと、必死にカメラに駆け寄りフィルムを取り出していた。
ここで、泣いた。
緊迫した場面の中で、その動きからカウフマンにとって、何よりも守りたいものは自分たちの映画だって、カウフマンが命を賭けているのは映画なんだって、ガツンと伝わってきて、涙が滲んできた。
この後の展開から、この動きは脚本に決められたことだったと分かったけれど、カウフマンの思いがこんなにまっすぐに伝わってくるほど、七海さんがカウフマンとして生きているんだって感じた。
ジョセフィン・ベイカーのカッコよさ。そして泣かされる。
配役発表を見て、男役さんなのに卒業公演のお芝居で女役って・・・と思っていた。
でも、このジョセフィン・ベイカーのインパクトは、男役をされてきた夏樹れいさんだからこそなんだと感じた。
セクシーだけれど媚は売っていない、自分を知り尽くして、セルフプロデュースできてる強さを感じた。
何より歌が上手い。
ジョセフィン・ベイカーの最後のセリフに泣かされた。
自分が世の中にどう見えているのかを熟知した上で、自分の場所で、自分のやり方で戦うと、力むことなく言ってのけるジョセフィン・ベイカーがカッコよかったから。
でもラストの車掌さんを見逃してしまいました・・・
カウフマン(七海さん)の表情に釘付けだったから・・・
カウフマンの、よしこれで一安心、やっと撮影したフィルムを頼んだぞ、幸せを祈っているぞ、ってテオとジルに向けた熱い眼差しに釘付けだったのです。
渋さに惚れ惚れ
大実業家アルフレート・フーゲンベルクの壱城あずささん。
成り上がりなんだろうなぁ、でもびっくりするぐらいの大実業家なんだろうな、って思った。(実在の人物らしいので、史実は違っているかも?ですが・・・個人の感想です。ご容赦を。)
権力者の余裕やら存在感が、渋いなぁと思った。特にお金を持っていることの余裕を感じた。
とは言え、いやだからかな? 「色」には見境なさそうだったけれど(笑)
そしてもう一人。
サイレント映画のベテラン俳優ヴィクトール・ライマンの天寿光希さん。
キャリアも長いけれどかつて一斉を風靡した大御所俳優って感じの、色気と余裕と存在感とそして良い感じの黄昏感。なんというのか、北大路欣也さんみたいな感じ。
やっぱり余裕を感じたんだけれど、その余裕がとっても色っぽかった。
咲城けいさんにニマニマ
案内係を見逃すな!って思っていたけれど、あちこちで咲城さんからオペラに飛び込んできてくれた。ありがとうー
幕開きの『メトロポリス』上映会(?)の階段席、センターブロックの座り位置配が、ワタクシ的に嬉しすぎまして。
センターブロック上手側から2つ目の座席。
1列目 カウフマン(七海さん)
3列目 フーゲンベルク(壱城さん)
5列目(最後列) 観客(男)(咲城さん)
視線を上下させて、このラインばっかり観てました
それから案内係。
『忘れじの恋』上映会終了後、テオやジルを利用する悪だくみをするヨーゼフ・ゲッベルスの凪七瑠海さんとフーゲンベルク壱城さん。
2人目に出てくる案内係が咲城さん。「フーゲンベルク様、お迎えが参りました」という声が良くって、ニマニマ。
上流階級の人たちにサービスを提供する仕事をしている人ってすっと入ってくるような、落ち着き・上品さ・洗練を感じた。
それから、撮影所のスタッフとして、ナチスの統制下でも本来の映画を守ると、テオやカウフマンたちと決意して踊るところ、咲城さんは上手端後列にいて、でも曲の途中盛り上がってきたところで、上手端前列にいた天華えまさんが、すっと横にきて、グッと肩を組んで、顔を見合わせながら歌い踊っていて、それを観てニマニマした。
天華さんは新人公演の本役さんとして、咲城さんを気にかけておられるのかな?とか、咲城さんはそんなことができるぐらい天華さんに可愛がられているのかな?って何目線か分からないけれど、ニマニマした。
好きだなと思った場面とか。
ダンスとか歌のプロローグがなくて、いきなり物語が始まったけれど、これから期待作の上映会が始まるってだな、ってとってもワクワクした。
この作品のチャレンジの1つだろうと思われる映像の活用。
テオの処女作映画の一部が舞台中央のスクリーンに映写されるけれど、セピア色で、そして宝塚メイクが、セピア色に馴染んで見えてその時代の映画だと違和感なく感じられた。
テオとジルの銀橋デート
2人が銀橋の階段に座って、テオが自分の生い立ちを語るところ。
舞台では星蘭ひとみさんが少年時代のテオに扮して、映写機を操作していて、その映写機が客席に向けられると、劇場いっぱいに星空が広がって、とっても綺麗だった。
青列車のデッキ再び
ラストに青列車が出てきて、デッキにテオとジルが並んで立った。
青列車やん ってニマニマした。
『琥珀色の雨にぬれて』とは、場所も時代が近いといえば近いから、出てきても不思議はないんですよね。
ため息とリップ音で、クラクラになったレビュー『Bouquet de TAKARAZUKA』は改めて。
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