星組東京公演『THE SCARLET PIMPERNEL』千秋楽おめでとうございます。
七海ひろきさんのロベスピエールには、実在の人物として物語の時代性を現すだけでなく、物語を動かす主要なキャラクターなんだと感じた。
民衆や革命への情熱と、その情熱に比例してギリギリと心を締め上げるような焦燥感が大きくて、ショーブランに強いプレッシャーをかけているからこそ、ショーブランが冷静な判断ができなくなって、パーシーにまんまと最後まで騙されることになったのだろう。
それに美しいし。
白タイツは、反則だったし。
でも印象に残っているのは、表情の変化だった。
『ロベスピエールの焦燥』を歌っている姿。
革命を完成させることこそが正義と強く信じていること、信念が強すぎて感じている焦りと、次第に孤独感まで表情に滲んでいるように感じた。
そしてもう一つは、2幕のコメディフランセーズでの桟敷席での姿。
マルグリットが「ひとかけらの勇気」が歌い出すのを聞いて、お顔が四角く見えるぐらいグッと奥歯を噛み締め、怒りを押し殺している姿。
どちらも観ていて苦しくなるぐらいだった。
咲城けいさんは、民衆や牧師、召使いといろいろな場面で、その場にいる人物の一人として生きようとしているように見えた。
民衆で出ている場面は、正直なところ全部見つけることはできなかったけれど、それでも見つけた時には、恐怖や怒りや追い詰められた閉塞感を他の民衆の人たちに負けないぐらい体から発しているように感じた。
観ることはできなかったけれど、東京新人公演では代役でピポー軍曹を演じられたことで、きっと次の『阿弖流為』につながる何かを得られたのではないかと期待している。
他の新人公演出演者が宝塚でも演じている中で、東京での1回だけで、ひょっとしたら準備が十分できなかったことで悔しい思いが残っているかもしれない。でもその悔しさもきっと次につながる経験にされるだろうと期待している。
紅ゆずるさんのパーシーは、最初はちょっとオーバーアクション気味に感じた。ユーモアーセンスが目立つ紅さんだからかな、と思っていたが、二度目に観劇した時に、初観劇の時には私自身が素直に観ることができてなかったのかもしれないと思い直した。
紅さんとしてではなく、パーシーとしての姿なんだと、すっと感じた。
何よりマルグリットを本当に愛おしく思っていることが伝わってきた。
疑いながらも、決してマルグリットとの関係を諦めていないことを、ふとした眼差しで感じた。
だから、最後のデードリーム号の二人の姿に、デュエットダンスの姿に、本当に良かったねぇ〜と思った。幸せな気持ちに包まれた。
次の『オーム・シャンティ・オーム』で七海さんは本当に悪いヤツ、ムケーシュ。
ロベスピエールには革命の理念や大義があったけれど、ムケーシュは自分のためになんでも利用するような人。
きっととんでもなく真っ黒なムケーシュに会えるのだろうとワクワクしている。
(あっ、なんとか1回観に行けそうな見込み。)
そして咲城さんが出演する『阿弖流為』も、たぶん1回観に行けそうなので、こちらも楽しみ。
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