『燃ゆる風』も、1月23日にはもう千秋楽を迎えますね
寂しいなぁ・・・
1月21日の2回目の観劇は、ありがたいことに2列目のお席でした
バウホールは、あまり前すぎると却って見づらくなると聞いていましたが、単純なミーハーな私としては、炎を現す真っ赤な布のはためく音や、立ち回りで草履が舞台の床に擦れる音や、スピーカ経由でない声も聞こえることには、やっぱり興奮しました
さて、2回目に観た七海ひろきさんの竹中半兵衛
物静かな佇まいながら、内にある乱世を終わらせたいという熱い思いが、さらにしっかり感じられました
穏やかな人物表現って、素人感覚ですが難しいと思うのです
大声出したり大きな動作はなくても、半兵衛の芯にある思いが感じられる七海さんのお芝居って、凄いなぁと思いました
それを感じさせてくれるのって、七海さんの眼差しなのかな?と思っています
誰かと(特にいねと)向かい合う時、いつも眼差しに温かなものを感じられ、それが半兵衛の命を大切にという思いを、誰の命もその使い道を誤らせたくないという思いを、ブレることなく伝えてくれているように感じるからなのかも知れません
その眼差しが厳しいものに変わったように見えたところが3ヶ所ありました
まず朝倉攻めの軍議の場面、総攻撃を指示する信長の言葉を聞いているところでは、軍師らしい冷徹な眼差しに見えました
ここ、本当に七海さんが美しくって
上手の舞台の端っこ(信長から見たら陪臣だし)にいて、下手側遠くを静かに見つめているお顔が、本当に美しい
できることなら、その姿をずっと見ていたいと思うぐらい
それから、殿軍として進軍する時、「ここから先、浅井・朝倉の兵を一人たりとも通してはならぬっ!良いなっ!」と藤吉郎軍に気合を入れる眼差しの強さ
もうめっちゃカッコいいです
ここから始まる立ち回りは、敵軍が続々現れて追い詰められていく感じがヒシヒシと伝わってきて、出演者が28人なのに本当に1万の軍勢に追われている感じが出ていて、怖くなりました
半兵衛も三郎太もそして案外弱っちい藤吉郎も、1人で何人もの敵兵と戦い切り倒します
ここでのめっちゃカッコいい半兵衛は、ひたっと敵兵の動きを見据えながら、肘に刀を挟んで刀の血糊を拭うところ
「ひぃ〜」って内心叫んでいました
そしてもう一つは、松寿丸の頬を叩くところ
黒田官兵衛が裏切ったと判断した信長が、人質である松寿丸の処刑を命令したので、
「黒田家の嫡男として立派な最期を遂げる覚悟」と言った松寿丸の頬を半兵衛は叩きます
ここの眼差しが最も厳しかったように感じました
怒りを秘めているようにさえ感じました
それは、命の使い道を誤っているから
でもその厳しい眼差しは一瞬のことで、すぐに穏やかに「親が親なら、子も子だな」と言い、松寿丸を諭します
半兵衛は既に自分の長くない余命を感じているので、だからこそ松寿丸に命に向き合うことの大切さを伝える言葉がとても重く感じられました
この場面では、松寿丸を諭している半兵衛をいねが後ろから静かに見つめています
その真彩希帆さんの表情が、とても切ないです
半兵衛と松寿丸の2人を温かく包み込むような表情でありながら、半兵衛が松寿丸に軍配を託すのは、半兵衛が官兵衛にはもう会えないと自覚しているからだと、いね自身が分かっている悲しみが滲んでいるような表情にも見えたのです
萌え散らかしたポイントは
まず裸足に草履履き
1幕、美濃で隠居している時は、足袋も履かずに裸足なんです
2列目のありがたさ、享受いたしました
白くて綺麗な形の御御足でございました
ご馳走様でございました
それから2幕最初の場面
お餅を焼くいねに、浅井・朝倉との戦いで感じた恐怖を打ち明けるところ
戦国武将・稀代の軍師だけれど、いねに対してだけは、戦の怖さを打ち明けられるほど心を許している、そんな姿が愛おしかったです
この場面で半兵衛は、いねに両親への思いを聞いていました
半兵衛は、この時いねが言っていた願いをちゃんと覚えていたんですね
2幕後半いねとの今生の別れの場面で、半兵衛がいねに託すお役目があります
それは、ある人にいねの存在を知らせるためだと思っていましたが、いねの願いを密かに叶えることにもなっていたことに、やっと気づきました
そのことに気づいた途端、なんて深い愛情なんだろうと涙が溢れて、2幕最初から泣き始めてました
これは2回目の観劇でこの後の展開を知っていたからですが、この場面はそれを抜きにしても泣けてきます
半兵衛といねの心の繋がりの深さ、相手への思いやりが溢れていて、泣けてきます
命の大切さを何より重んじる半兵衛は、愛の人だと感じました
七海さんも愛の人だと感じているので、余計にそう感じるのでしょう
NOW ON STAGEで七海さんは「半兵衛の生まれ変わりだと思う」って言われてましたもんね
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