順不同になりましたが…
2部 お芝居 木曽の月影
*配役*
木曽の大八一家
親分 大八*白富士宗歌馬若座長
女房 しず*劇団松丸家 松丸家ちょうちょさん
用心棒 藤森*先代白富士龍子
芸者 おたか*白富士ほのかさん
しずの兄 白鷺*白富士一馬三代目座長
奉公人 お松*白富士まりんさん
*あらすじ*
1場:大八親分誕生日祝宴の席
しずと言う女房が居ながら、芸者おたかと良い仲の大八親分。
祝宴の席に遅れて現れたしずに、「家風に合わない。」と離縁を言い渡す大八親分。
涙ながらにすがるしず。
そこへ、やって来た白鷺がしずの様子に訳を尋ねる。
一年前、大八親分が木曽の山中で山賊に絡まれているところを助けたのが白鷺。
それが縁で白鷺の妹しずを女房にした大八親分。
離縁を言い渡した大八親分を説く白鷺。
お腹には子供を宿し、早五つ月の岩田帯と言うしずは復縁の義を望むが、「出て行け!」としずに酒を掛ける大八親分。
怒りで刀を振りかざす兄を止めるしず。
2場:白鷺家
しずは坊を産むも、産後の肥立ちが悪く盲になっていた。
しずに代わって坊の面倒を見るお松に、故郷の事を尋ねる白鷺。
「上州高崎が里。林檎の花が咲く綺麗な所。」と答えるお松。
白鷺家は元は立派な侍の家だったが、お家違反で家臣たちも散り散りに。
そんな中、尽くしてくれるお松を思い、「親兄弟の顔を見る為、長の暇を。」と言う白鷺に、お松は、「親子は一世、夫婦は二世、主従は三世…」と言いこのまま留まると話す。
しずの薬を調達に行くお松。
大八一家の藤森がやって来る。
「背と背の川向一家と出入になり無勢に多勢。腕を貸してほしい。助太刀してほしい。」と頼む藤森に、きっぱり断る白鷺。
そこへ、大八親分が現れる。
しずが坊を産んだ事や産後の肥立ちが悪く、一寸先も見えない盲になった事を聞き、「ひと目で構わない。坊やに会わせて下さい。」と言い、坊を抱かせてもらう大八親分。
「すまない。馬鹿なお父っちゃんを許してくれ。こうして初めて会ったが、今生の別れとなるだろう。白鷺の先生を父と思いおっかちゃんを助け、やくざにはならず堅気の姿で大きくなるんだ。」と言うと喧嘩場へ向かおうとする大八親分。
それを止め「おめえの為じゃない。この子の為に手を貸してやろう。」と言う白鷺。
話し声がしたとしずがやって来る。
しずと大八親分を会わせる白鷺。
「坊としずと三人でやり直してくれないか。」と言う大八親分の言葉に喜ぶしず。
「所用で出掛ける。」と言う白鷺を、「胸騒ぎがする。」と止めるしずだったが、出掛けて行く白鷺。
「上手く行きやしたね。」とほくそ笑む大八親分と藤森。
二人の悪巧みを聞き、白鷺に伝えに行こうとするしずを斬る大八親分。
芸者おたかが現れると、三人連れ持ってその場を後にする。
薬を調達し帰って来たおまつはしずの姿に驚く。
そこへ、白鷺も帰って来る。
「私たちは又しても大八に騙されました。しずは悔しい。」と言い息絶えるしずを抱き、「しず!」と涙する白鷺。
仇討ちに向かおうとする白鷺を止めるおまつ。
万が一の事が有ったその時にはおまつに後の事を託す白鷺。
3場:街道
しずの仇討ち。
芸者おたかを斬り用心棒の藤森も斬った白鷺を後からだまし討ちする大八親分。
「お前も一緒に道連れだ!」と大八親分を斬る白鷺。
坊を抱き駆け付けて来たお松に、「喜べ。見事、仇は討ったぞ。」と言う白鷺。
「後の事はお任せ下さいませ。」と坊の事を引き受けるお松。
「しず、三途の川はこのわしが抱いて渡ってやろう。」と言うと息絶える白鷺。
初めて観るお芝居でした。
大八親分に、一度ならず二度までも騙された挙句に殺されてしまう白鷺と妹しずの悲劇。
口上挨拶
白富士一馬三代目座長
白富士宗歌馬若座長