⑲より続き…
順不同になりましたが…
1部 お芝居 浜町河岸の月
他劇団では、「月の浜町河岸」「男十三夜」「深川情話」
*配役*
縮屋(チヂミヤ)新助*錦蓮座長
新助の弟分 清二*劇団大川 大川礼花さん
つむじ風の千太*錦大空斗さん
千太の手下*錦星輝さん
目明し親方*橘小寅丸さん
芸者あだ吉*劇団大川 美穂裕子さん
料亭「ひさご」
仲居 お蔦*長谷川武弥劇団 愛京花総座長
女中 おたき*長谷川武弥劇団 京未来花形
*あらすじ*
1場:料亭「ひさご」前
「料亭ひさごの若旦那と一緒になってくれないか。」と言う目明しの親方に、「きっぱりお断りします。」と答えるお蔦。
お蔦の亭主の千太とあだ吉がやって来る。
二人はお金を手にする為に画策する。
あだ吉は帳場でお金をくすねると言い店の中へ入って行く。
千太は手に手拭を巻きお蔦を呼び出し、「いかさま博打で手を切られ、五十両無かったら命が危ない。」と嘘を付く。
お蔦から子供が出来たと聞いた千太は、「これからは一生懸命働く。」と言う。
その言葉に、料亭ひさごの女将さんに、お金を用立てて貰おうと店の中へ入って行くお蔦。
帳場から五十両をくすねたあだ吉が戻って来る。
その五十両を持って、「二人で楽しい道行で…」と立ち去る千太とあだ吉。
用立てて貰った五十両を持って戻って来たお蔦だが、清二にひったくられてしまう。
清二から新助の手に渡るも、目明しの親方にお縄にされる新助。
五十両は無事、お蔦の手に戻る。
「五十両も戻った事だし、少し話をさせてもらえませんか。」と目明しの親方に頼むお蔦。
「心を改めて真人間になってくれないかしら。あなた、根っから悪い人じゃないですよね。」と諭すお蔦に、「嬉しいな、こんなに親身になって話してくれるのは初めてだ。」と言い、真人間になる事を約束する新助。
お蔦は、「辛い時、これを見て思い出してほしいの。」と言い、母の形見の簪を手渡す。
「この五十両は私があの人にあげたかったお金なんです。」と言うお蔦の言葉に、「見てみろ。綺麗な月だな。」と言い、新助の縄を外す目明しの親方。
「必ず心を入れ替えて立派な商人姿でお会いしましょう。ごめんなすって。」と駆けて行く新助。
おたきが知らない男の人から手紙を預かったと、お蔦に手紙を手渡す。
「子供はお前が育ててくれ。俺は芸者あだ吉と…」と書かれた新助からの手紙だった。
2場:一年後の料亭「ひさご」前
お蔦は料亭ひさごの若旦那に嫁ぎ、店も繁盛していた。
商人姿の新助がやって来る。
そこへ、清二を追う目明しの親方。
お縄になった清二と親方がやって来る。
「親方、お久しぶりです。縮屋新助です。」と言うと、「弟分分の清二と話をさせて下さい。」と頼む新助。
「お前、まだこんな事やっているのか。早く足を洗え。」と言う新助に、「この浜町河岸で別れて、ずっと待っていたが兄貴は帰って来なかった。」と新助に捨てられたと思っていた清二。
「お前を捨てた訳じゃない。ある人のお陰で真人間になる事ができた。この一年、お前の事を思わなかった日はない。落ち着いたら迎えに行こうと思っていた。お前の帰りをずっと待ってるぞ。」と言う新助に、清二は、「頑張って全うな堅気になる。待っていてくれよ。」と言い引かれて行く。
千太が現れたところへ、赤子を抱いたお蔦が帰って来る。
「金が無くなったらあだ吉とも切れ…堅気になろうと思うんだ。金を回してくれないかな。」と金の無心をする千太にきっぱり断るお蔦。
「その子は俺の子だろ。奥に行って話すか、金を回すか、一箱千両を用意しろ。」と脅され、店の中へ入って行くお蔦。
その様子を見ていた新助と千太は刃物沙汰になる。
千太と千太の手下を刺し殺してしまう新助。
新助の脅しに、おたきが止めるのを振り切って、出刃包丁を持ち出し現れたお蔦だが…
新助をお縄にする目明しの親方。
新助を見て、「もしかしてあなた…」と気付くお蔦。
「今日、俺がした事が良い事なのか、悪い事なのか分からない。それを知っているのはこの浜町河岸を照らすお月さまだけが知っています。」と言い胸元から出した簪をお蔦に手渡す新助。
そして、「有難うございました。」と礼を言い引かれて行く新助。
改心させてくれた恩あるお蔦を守る為に人を殺してしまう新助の心情が切ないです。
口上挨拶
錦蓮座長
橘小寅丸さん
錦大空斗さん
錦星輝さん
㉑へ続く…