⑳より続き…
順不同になりましたが…
1部 お芝居 曽根崎心中
*配役*
橋村家
新吉*錦蓮座長
新吉の女房 おつま*長谷川武弥劇団 愛京花総座長
新吉の母*劇団大川 美穂裕子さん
奉公人
松どん*劇団大川 大川礼花さん
竹どん*錦大空斗さん
梅どん*錦星輝さん
早苗*長谷川武弥劇団 京未来花形
おつまの元亭主 銀次*橘小寅丸さん
*あらすじ*
1幕:橋村家
松島で女郎をしていたおつまを見初め身請し嫁にした新吉。
新吉の母と新吉の嫁になるものと思っていた早苗は、そんなおつまが気に入らない。
外出から帰って来れば迎えがないだの…
喉が渇いているのにお茶も入れないだの…
お茶を入れればこぼすように仕向けるだの…
肩を揉めば揉み殺すつもりかと言われ…
挙句には、「男の機嫌の取る道は知っていても、姑の機嫌を取る道は知らんとみえる。何を言っても無駄な事。ここでせいぜい一人で泣きなされ。」とつらく当たり部屋を出て行く二人。
そこへ、銀次がおつまを訪ねてやって来る。
銀次はおつまの元亭主で、五年前、松島の女郎屋へおつまを叩き売った張本人。
「俺もそろそろ堅気になろうと思ってな。五十円で構わないんだ。」と金の無心をする銀次。
おつまが断ると、奥に行き以前の素性を洗いざらいぶちまけてやると脅かす。
「分かりました。お金は作ります。六時まで待って頂戴。」と頼むおつまに、「場所は曽根崎だ。必ず来るんだぞ。」と言う銀次。
その様子を見ていた早苗が騒ぎ出し新吉の母を呼ぶ。
その場を、「私の兄さん」と取り繕う早苗。
銀次は、新吉の母に向かって散々嫌ごとを並べ立て出て行く。
「新吉になり代わり姑去りします。」と言い渡されてしまうおつま。
そこへ、新吉が帰って来る。
事情を聞いた新吉は気持ちとは裏腹に、「私はお前とは離縁します。出て行きなさい。」と言う。
出て行こうとするおつまに、「このお女郎。」「ど淫売」と怒声を浴びせる新吉の母と早苗。
「私はどうすればお義母様に気に入ってもらえたのでしょうか。いっその事、殺して下さいよ。」と怒るおつま。
幼い頃、高い熱病を寝ずの看病し、女手一つで育ててくれた母には頭が上がらない新吉は、「おつま、悪いのはみんなこの私だ。お前の事を迎えに行く。」と詫びる。
「あなたのその言葉、信じています。」と言い出て行こうとするおつまに、「待ちなさい。お前には何もしてやる事が出来なかった。最後に、私が差し出すこの下足を履いて行ってくれないか。」と言う新吉。
新吉に履かせてもらった草履で、橋村家を出て行くおつま。
2幕:曽根崎
おつまがやって来る。
「金は持って来たか。」と聞く銀次に、「橋村家を追い出されたのさ。」と答えるおつま。
銀次が、「俺とよりを戻して一緒に暮らさないか。」と言うと、おつまは了承する振りをして、「許さない!」と後ろから銀次を刺す。
おつまと銀次が揉み合っているところへ、おつまの後を追って来た新吉が、銀次を刺し殺してしまう。
「お前には関係のない事だ。」と罪を被るつもりの新吉に、「あなたと一緒に罪を償います。」と言うおつま。
「この命で償うと言ってるんだ。」と言う新吉に、おつまは、「あなたが死ぬなら私も死にます。あなたと一緒に死ねるなら、本望の上の本望です。」と言い手を合わせる。
おつまを刺そうとする新吉だが、「出来ない。お前を殺す事なんて出来ない。」と言うと、おつまは、新吉が手にしている匕首を自分の胸に刺す。
「あの世とやらで、二人だけの世界を…」と言い、自らの首を斬る新吉。
口上挨拶
錦蓮座長
橘小寅丸さん
錦大空斗さん
錦星輝さん
㉒へ続く…