より続き…

 

順不同になりましたが…

 

2部 お芝居 紺屋高尾 1幕4場

*配役*

紺屋六兵衛

親方 六兵衛(ロクベエ)*中海加津治さん

女房 おたつ*小川紗矢香さん

職人 久蔵(キュウゾウ)*市川富美雄座長

 

置屋 三浦屋

高尾太夫*紀訥紀乃さん

遊女*谷川恵那さん

遊女*實川菜々美さん

禿(かむろ)*實川結さん

 

医者 竹庵(チクアン)*市川千也さん

 

 

*あらすじ*

1場:紺屋六兵衛

「ここ二、三日久蔵の様子がおかしいんですよ。」と言うおたつ言葉に、久蔵に訳を尋ねる親方。

「あっしの病気は、お医者さまでも草津の湯でも、惚れた病は治りゃせぬよ。」と答える久蔵に、親方は恋の病の相手を尋ねる。

「三浦屋抱えの高尾太夫。五日前、兄弟子に連れられ吉原の夜桜見物に行った時、花魁道中に遭遇し、それからは夢うつつ。」と答える久蔵に、親方は、「高尾太夫と言っても売物買物の女郎だ。金さえ有りゃ、はいどうぞ。一晩に十五両位、三年はかかる。」と言う。

三年経てば高尾太夫と会えると喜ぶ久蔵。

 

2場:三年後の紺屋六兵衛

めかし込んだ久蔵がやって来る。

親方に預けている三年間の給金は十八両と二分にもなっていた。

「その中から、十五両を持って行く。」と言う久蔵に、「何に使うつもりだ。」と尋ねる親方。

「三年、一生懸命働いたのは高尾を買いたい為。」と答える久蔵。

親方は久蔵の一途な思いを叶えてやりたいと、腕はいまいちだが、女郎界は名人の竹庵先生に頼む事を思い付く。

そこへ、竹庵がやって来る。

話を聞いた竹庵は、「その手ほどき、わてに任せてほしい。久蔵はん、わしの言う事、よう聞きなはれや。」と引き受ける。

 

3場:三浦屋座敷

竹庵に連れられやって来た久蔵。

「今日は、紺屋職人の久蔵やないで。上総久留里の大臣の跡取り息子やで。手は見せたらあかん。隠しなはれ。一切喋ったらあかんで。」と久蔵に言う竹庵。

竹庵は、馴染みの遊女に、「高尾太夫に会える様に取り次いでほしい。」と頼む。

「花魁に何を聞かれても、「おーおー。おーおー。」と威張ってりゃ良い。」と言う竹庵に、その稽古をする久蔵。

遊女がやって来て、高尾太夫が来てくれると告げると、竹庵は久蔵一人を残し座敷を出る。

高尾太夫がやって来る。

「お酌をさせてくだしゃんせな。」と言い酒を注ぐ高尾太夫。

緊張の面持ちで、注がれた酒を飲む久蔵。

「わちきにも一献くんなまし。」と言われ、久蔵は酒を注ぐ。

「主さんの様なお方、初めてでありんす。今度いつ来てくんなます。」と尋ねる高尾太夫に、「三年経ったらめえります。」と答える久蔵。

「明日来る、あさって来るじゃなくて、三年とはどう言う訳でありんす。」と尋ねる高尾太夫に、「もう隠しちゃいられねぇ。」と訳を話し出す。

「紺屋六兵衛の職人で名は久蔵。三年前の夜桜見物で一目惚れ。俺だって、明日来てぇ。明後日も来てぇ。紺屋の職人に十五両は容易く出来ねぇ。三年に一遍しか会う手はねぇ。」と話す久蔵に、「それが本当なら、来年三月、年季が明けたなら女房に。晴れて所帯を持つ時の足しにして下さい。」と三十両を差し出すと、「正直な方。女冥利に尽きます。」と言う高尾太夫。

 

4場:紺屋六兵衛前

「大変だ!大変だ!」と久蔵が帰って来る。

その様子に、訳を尋ねる親方。

「来年の三月、三浦屋の高尾太夫があっしの女房になるんです。」と言い、三十両を見せる久蔵。

 

あくる年三月半ば、眉毛を落とし歯を染め丸髷結った高尾太夫がやって来る。

久蔵と高尾太夫の手を取り重ね合わせる親方。

 

 

今まで見た事のある「紺屋高尾」とは、やっぱり、ひと味ふた味違っていました。

市川富美雄座長が言われていた「節劇(ふしげき)」。

場面場面で掛かる浪曲に合わせた所作。

大爆笑は無くても、穏やかな気持ちで見る事が出来て、行った甲斐がありました。

 

⑲へ続く…